白鬚神社 埼玉県狭山市柏原 旧・村社
現在の祭神 猿田彦命
本地 十一面観音

「新編武蔵風土記稿」巻之百八十
(高麗郡之五)

柏原村

白髭社

村の鎮守なり、 別当は鎮護山宮本院社地に住居せり、本山修験、篠井村観音堂配下なり、本尊不動を安ず、
当社の神体は白幣、本地は十一面観音にて、鉄円鏡に鋳造せし仏像五面あり、 その銘文二面は天正十八年、二年は同十九年、一面は慶長十六年とえる、 施主村内にて吉田氏のもの一面、その他は当村大工神田氏なるもの奉納なり

「埼玉の神社 入間・北埼玉・秩父」

白鬚神社

  狭山市柏原1153(柏原村字北本宿)

歴史

 『風土記稿』によれば、社地には樹木が茂り、その中に周囲二丈余りの槻の大木や周囲一丈五尺余の樫の大木があることから古社であると記されている。 また、これに続いて篠井村の観音堂配下本山派修験鎮護山宮本院が当社の別当を務め不動尊を祀り、神体は白幣、本地は十一面観音とある。 この十一面観音は懸仏になっており、現在、五面保管されている。 最も古い懸仏の銘文には「大日本国武州高麗郡柏原村住施主神田市右衛門 于時天正十八年庚寅十二月二十一日大工神田宮内」と刻してあることから、当社の成立もこれ以前であったことがわかる。