白倉神社 高知県高岡郡佐川町中組 旧・村社
現在の祭神 冷泉天皇
本地 十一面観音

「南路志」巻二十三
(闔国第九ノ三 高岡郡)

斗賀野村

白倉大明神(松ノ本)  正躰鏡  ヤク神・蔵王権現  正体鏡同上  祭礼九月十日
常に白倉三社大明神と唱、社内地蔵・木仏・鉾八本有。
○観音堂(社地に在、木仏立像)  会日九月二十八日

廣江清「近世土佐の宗教」

第五 神仏習合

神宮寺

神は仏の供養を受け救済されるのを喜ぶという考え方から生まれたのが神宮寺で、既に奈良時代に始まるといわれる。 土佐での起原は明らかでないが、中世には存在していたようで、『地検帳』によると、高岡郡度加野村の項に、
神宮寺金堂 三間四面 十一面観音東向也
白倉大明神 三間四面本地者
十一面観音
と併記してあり、白倉大明神の本地仏と神宮寺の本尊が同じであるところをみると、白倉大明神の神宮寺であることは明らかである。 この神宮寺は近世には退転して、『南路志』には、白倉大明神の社地に観音堂が残っているだけである。