現在の祭神 |
健速須佐之男命 [配祀] 櫛稲田姫命・八王子 |
「讃岐国名勝図会」巻之九
八坂神社
同所[滝宮村]にあり。
社人大西氏・綾川氏。
祭礼六月八日。
大般若法楽、九月九日、御幸
祭神素盞嗚尊
左御后、頗梨采女、暦の年徳神なり。京都祇園にては稲田姫命、また少将井といふ。
右御子八王子、暦の八将神なり。
日本八社の一。五畿内と七道に一社づつこの神を定め置けり。
また一社に一王子を添ふ。
第一想光天皇鼠の神なり。
南海道鎮護の社なりとぞ
本地堂 薬師如来、聖徳太子御作
隨神門。
社記曰く、当社は和銅二年六月八日、牛頭天皇阿野川に影向あり、竜宮より燈を挑ぐと云ふ
(滝の傍に竜燈石および御手洗と号し、岩窟に壺の淵あり。縁起に委し)
行基菩薩社檀を建てて、世に滝宮と尊崇す。
延暦年中、弘法大師霊夢を蒙り、本社を造営せり。
『宇野忠春記』曰く、島田寺の良純法印は殊勝の碩徳にて、竜宮は霊験新たなる神社ゆゑに常に祈念せられる。
その感応験あり。
一七日参籠ありて神体を拝し奉りたしと肝胆を砕き祈られける。
七日満ずる朝、小蛇檀上に現れたり。
良純ありがたくは存ずれども、願は御正体を拝し奉りて、般若の法味を捧げて御礼申し上ぐべしと、また七日籠られける。
満ずる朝、神正体を現じ、たけ数丈の大蛇、御手洗へ入りたまふ。
良純感涙を流し、これより六月八日の般若八講今に至りて、毎歳近郊の僧出席して法会あり。
昔は鵜足郡坂本村より頭屋を建てられ、衆僧并に参詣を賄ふ事夥し。
昔は島田村よりこれを勤む。
今は竜燈院の神事、寺役となりたり。