天神社 埼玉県比企郡吉見町下細谷 旧・村社
現在の祭神 菅原道真
[合祀] 伊弉冊尊・速玉男命・泉津事解男命 <熊野社>
本地 十一面観音

「埼玉の神社 大里・北葛飾・比企」

天神社

  吉見町下細谷313-1(下細谷字中)

歴史

 社伝によると、当社の創建は寛文元年(1661)七月五日のことである。 その後、天保十四年(1842)に本殿を、嘉永四年(1851)三月に幣殿・拝殿をそれぞれ造営した。
 造営史料としては、本殿の石造台座に刻む銘文がある。 これには「天保十四癸卯年十一月吉祥日」の年紀があり、別当照明寺をはじめ、同じ地内にある明王院の法印盛秀の名や世話人らの名が見える。 現在の本殿はこの時のものと伝え、精緻な彫刻が施された秀逸な造りである。 内陣に奉安する神牌には、中央に「十一面観世音菩薩」、その左右に「天満宮本地仏」「弥勒菩薩」と刻まれ、神仏習合の模様を伝えている。
 『風土記稿』下細谷村の項には「天神社 村の鎮守なり、照明寺持」とある。 この照明寺は幕末に火災に遭い廃寺となったと伝えられる。