天満神社 広島県広島市中区中島町 旧・無格社
現在の祭神 菅原道真
本地
天満宮十一面観音
老松殿不動明王
紅梅殿毘沙門天

「知新集」第十一巻(真言宗 下)

満松院[LINK]

抑当院に鎮座まします天満宮ハ、往古菅神筑紫へ御左遷の時、高宮郡吉田の里天神山に御休息あらせられしいはれをもて、はしめて其地に祝ひ奉り、年久しく宮居し給ひけるを、毛利殿御信仰あり、広島開発の時今の土地を択はせたまひ、境内方七十間社領三百余石御寄附ありける由申伝へ、 其後福島殿当国の太守なりし時社領没収せられ、御神威おとろへさせ給ひけるを、自得院殿御入国の時御船よりすくに当院へ御入あり、しハらく御休息ましましけるより、当社天満宮を深く御信仰ましまし、 此殿なん連歌を好ませ給ひけれハ、常に御城におゐて連歌御興行ありけるか、周坊国の人寿全といふ僧の当国善法寺といへる真言寺に逗留せしに〈善法寺今の嶺雲院なる事ハ同院の部にいへるか如し〉、連歌堪能の僧なりけれハ度々召せられ御慈恵厚かりけるを、当院住持仰付られ、天満宮の社務を命せさせ給ひけるより当院中興
[中略]
一 天神社 本殿 方二間、三社作、柿葺、内陣三社
中殿天滿宮〈神体作不知〉 本地十一面観世音菩薩合殿
   右老松殿 本地不動明王
   左紅梅殿 本地毘沙門天
幣殿 二間に入九尺、柿葺、
拝殿 桁行六間、梁行四間、正面拝所 南の間御祈祷