天山神社 佐賀県小城市小城町岩蔵 旧・郷社
現在の祭神 市杵島比売命・多紀理比売命・多紀都比売命
本地 弁才天

「肥前古跡縁起」

天山大明神

岩倉天山大明神本地弁財天は大唐国弁財天山の尊霊也、 文武天皇の御宇大宝二年壬寅四月朔日、小城郡禅定山に来現あり、 里人の娘七歳に成けるに、乗居させ給ひ詫して曰、 我は大唐の弁財天也 十五番の王子乙護法善神の跡を追て日本に飛来れり、 衆生崇め奉るべし 即明神と現れ国土の福地を守らん 我其山に鎮座すと宣ひ神はあがらせ給ふ、 今天山大明神是也、 夫より筑前の国志賀の島に現れ給ひ数多の奇瑞を現し、又安芸国厳島に於て大明神と崇め奉りしより、近江国竹生島相州榎島和朝三弁財天と申奉るも天山の弁財天也、
[中略]
延暦二十二年桓武天皇の勅願比叡山西谷の住侶聖命上人其国に下向あり、其の雲海山を開き岩蔵寺浄土院を開き薬師如来の尊像を安置し天山大明神を以て鎮守と崇め奉る