志那神社 滋賀県草津市川原町4丁目 旧・村社
現在の祭神 素盞嗚命・稲田姫命・八王子命・伊邪那岐命・伊邪那美命
本地 十一面観音

「草津市史」第1巻

平安後期の美術[LINK]

 川原町観音堂の十一面観音立像は、同町の天神社の本地仏である。 安永二年(1773)十一月園城寺政所より当社の氏子に下した文書には
神護寺住職之儀、進退共氏子中より一山江相願許容之上、其沙汰可有之、尤他宗之僧堅停止ニ候、他宗之僧住職之望有之儀ハヽ、天台宗ニ授戒之上可相願候事
とあり〈『川原町共有文書』〉、天神社の別当寺である神護寺は寺門(園城寺)の末寺となっていた。
[中略]
 この神護寺は、明治初年の神仏分離令のために川原町の中心部に移されて観音堂と称され、年寄十人衆によって管理されているが、前掲の文書に、
   天神宮寺神護寺
一、天神御社  一宇
一、拝殿    一宇
一、本地堂并庫裏
一、四足門   一宇
一、惣境内   壱町三反六畝十五歩除地也
とあるから、現在の天神社四脚門内に神護寺は所在したと考えられる。