若宮八幡社    
本地 愛染明王

「新編武蔵風土記稿」巻之七十六
(久良岐郡之四)

富岡村

若宮八幡社

除地、 小名伊勢山の下にあり、 社は二間四方巽に向ふ、 時の地頭八木十三郎高豊、台徳院殿の御木像を爰に置、若宮八幡と崇め奉る、 其後置奉ること恐ありとて、村内慶珊寺に移し奉れり、 御前立に太神宮と大日の像あり、太神宮は立像、 大日は坐像にて、共に長二寸許、 御本地仏は愛染明王なり、 正月二十四日御祭礼あり、此日八木氏より今も供物を奉ると云、 慶珊寺持
新編富岡案内(4)によると、
 青砥から戻って隧道を潜り総合公園前を過ぎ、切り通しを超すと、左の山上の大きな、マンションの外れに小さな森が有ります、民家の間の小路を辿って行くと、若宮と刻んだ石碑があります。
 かつては此処に小さな祠が有りました。 新編武蔵風土記稿に記されている若宮八幡の在ったところです。 言い伝えによれば、豊島明重が秀忠慰撫の為に祀ったとしていますが、実は、時の地頭八木十三郎高豊が台徳院殿の木像を安置して若宮八幡と称して崇めたと有ります。 正月二十四日が祭りの日とされているそうです。 昭和の始めまで子供達に蜜柑を配っての祭りがありましたが、現在は廃れています。 木像は慶珊寺に移されています。