上山神社 三重県熊野市神川町神上 旧・村社
現在の祭神 上山の神
[合祀] 速玉男命 <飛鳥神社>・事解男命 <事解男神社>・武甕雷命 <武甕雷神社>・大己貴命 <大上宮神社>・素盞嗚命 <天皇神社>
本地 観世音菩薩

「紀伊続風土記」巻之八十七(牟婁郡第十九)

北山郷 長原村

○山寺大権現社 境内(六十五間五十五間)
 本社(方六尺) 拝殿 鳥居
村の乾の山にあり 申の時を過れは参詣を禁す 山上女人結果なり 観音を本地仏とす故に山ノ寺観音とも云ふ 祀神詳ならす 飛鳥社と接して山上に祀て結界の地とするを以て考ふに新宮神倉と同神なつへし 十月晦日を祭日とす故に北山川を下る筏士等毎月晦日は瀬戸滝に筏を下さすといふ 又筏乗の組より一日に十二銅宛の初穂を社に奉るあり 嶺泉寺は古の別当寺なりしか 今も嶺泉寺社の事を支配し住僧は不浄の火を忌む
○嶺泉寺(照光山) 禅宗曹洞派伊豆国賀茂郡大見郷宮上村最勝院末の北山根にあり

「紀伊国名所図会」熊野篇巻之三

山ノ寺大権現社

長原村西北の山にあり
祀神詳かならざれど新宮神ノ倉と同神なるべし。 観世音を本地仏とするゆゑ山ノ寺の観音とも云ふ。 毎年十月晦日を以て祭日とす。 北山川を下る筏士の組より一日十二銅づつの初穂を奉納するを例とす。