表門神社 山梨県甲府市白井 式内論社(甲斐国八代郡 表門神社)
旧・村社
現在の祭神 木花開耶姫命・建御名方命
本地 十一面観音

「甲斐国志」巻之五十九
(神社部第五 八代郡小石和筋)

八乙女権現[LINK]

〔八乙女権現〕(白井河原村)  御朱印(万力筋板垣村柴宮領と一紙なり) 社領弐石八斗余 社地若干、 社記曰表門神社也 祠後に藐焉たる一丘有り 其頂上の石室深三間余高五尺広さ四尺硯材の如き板石を重ねて三方に壘し巨石を蓋とし土を以て之を埋む 壘石甚た奇にして其巧緻他の石室の比方すべきなし 是亦上世高貴の婦人を葬りし所なるべけれども今得て知るべからす 又本村長泉寺の流記に開基白林了明居士は何国何人なるを知らす 只高官の人と云い伝ふ 応仁元年正月十七日に逝す 八乙女権現と祀る本尊十一面観音は了明居士の守り本尊にて古は権現社地の傍に一堂を営して安置せしを天文十一年今の地に遷すと云へとも附会の説なるへし 墳墓の様子応仁頃の制に非す 又男子にして乙女と称すへからず 其守本尊と云へるは本地仏を誤伝えしならん