八上神社 和歌山県西牟婁郡上富田町岡 旧・村社
現在の祭神 天照大御神
[配祀] 誉陀別命(応神天皇)・大年神・天忍穂耳命
本地 十一面観音

「大和・紀伊 寺院神社大事典」

八上神社

 岡の西部、三栖山(現和歌山県田辺市)へ通じる熊野街道中辺路の登り口に位置する。 熊野九十九王子の一で、八上王子と称した。 現在の祭神は天照大御神。 旧村社。 王子跡は社の境域に名残をとどめ、県指定史跡。 「後鳥羽院熊野御幸記」建仁元年(1201)10月13日条に「次ヤカミ王子」とある。
[中略]
 近世を通じ岡村の産土神として崇敬を受け、寛政4年(1792)の田辺領神社書上帳(田所文書)によれば、社殿の建前は五尺五寸四方、拝殿の建前は表口三間・裏行二間、末社若宮・大般若経堂があり、境内は長十八間・幅七間、十一面観音を神体とし、無官の神主一人が社役を勤めていた。