八剣神社 東京都調布市菊野台3丁目  
現在の祭神 開村祖先の神霊
[配祀] 素盞嗚大神
本地 聖観音 十一面観音

「新編武蔵風土記稿」巻之九十四
(多磨郡之六)

大町村

八剣社

除地、三畝十八歩、 九尺に一丈二尺の覆屋、 村の東にあり、 祭神詳らかならず、 本地正観音を安ず、立身の木像、長一尺、 正教寺の持なり

調布市観光協会[LINK]より

八剣神社[LINK]

 旧大町村の鎮守で、明細帳によれば、開村祖先の8神霊が祭神です。 鎌倉幕府の家臣が建武年間(1334〜38)に原野を開き、一村を形成しました村民がその創業の功労を称えて、8名の佩刀を神宝として産土神に奉祀し、八剱神社と称したといいますしかし勧請年紀は焼失して、村民の言い伝えであるとしています。 右相殿の素盞嗚大神は由緒は不詳ですが創建時の御祭神と伝えられています。 左相殿の伊奈半左衛門は文政年間(1818〜30)の当村の代官で、村人の困窮した生活を救済しました。 その功恩を感謝して氏子中が配祀したと記しています。 なお、御神体として通形の十一面観音像が祀られています。 神社に祀られた仏像は、明治の神仏分離令で廃棄されたのが普通であるだけに珍しいものです。 江戸時代後期の作です。