横山神社 滋賀県長浜市木之本町杉野 式内社(近江国伊香郡 横山神社)
旧・村社
現在の祭神 大山祇命
[配祀] 岩長比売命・木花咲屋姫命・椙倉大明神・伊香津臣命・夷宮八幡神
本地 馬頭観音

「滋賀県伊香郡誌」

横山神社[LINK]

横山社ノ口碑ニヨレバ往古大山祇命本村郷内横山岳字白谷五銚子瀧ノ上流ナル杉ノ木ヘ御降臨アリシニヨリ御神体ハ此ノ杉ノ木ニ作リタルモノナリト 其杉株今ニ存シテ枯レズ 故ニ之ヲ神木ト云ヒ伝ヘリ 推古天皇ノ御宇二年二月中ノ申ノ日此処ヨリ数町下ナル字経ヶ瀧ノ上方ニ一社ヲ建立シすぎくらの社ト云ヒ伝フ横山氏主神タリ 其後天応元年ニ至リ合祀ノ本地馬頭観音ヲ七郷村大字横山ニ移シタリ 後永享十一己未年本社ヲ字宮内ヘ遷座セリ 今ノ横山神社即チ是ナリ

「近江・若狭・越前 寺院神社大事典」

横山神社

 旧村社。 「延喜式」神名帳の伊香郡「横山神社」に比定される。 横山岳に降臨した大山祇命を推古天皇二年経ヶ滝の上に奉祀、すぎくらの社と称した。 天徳元年(1439)合祀していた本地仏馬頭観音を横山村(現滋賀県高月町)に移し、永享十一年(1439)本社を宮ノ内に遷座したと伝える。

「近江と馬の文化」

近江の馬頭観音像

杉野の横山神社は、横山岳の中腹に旧社址があったといい、そこには神の降臨するという杉の霊木があると伝えている。 すなわち杉野横山神社の現社地は里にあって、横山岳に降臨する横山明神を拝む処であったと考えてよい。 こうした横山大明神の本地仏が馬頭観音であるのは、『近江国伊香郡志』に引く磯野氏の系図に、横山大明神は「白馬に乗て虚空を飛行し杉野村横山ヶ嶽の中腹に天降り」とあって、ここから横山明神の本地仏は馬頭観音と結び付いたのである。 杉野の横山神社には延徳四年(1492)から享禄三年(1530)にかけての墨書銘をもつ馬頭観音懸仏を十数面伝えている。