四山神社 熊本県荒尾市大島町 旧・村社
現在の祭神 天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神
本地 虚空蔵菩薩

「平成祭データ」

由緒略記

不知火燃ゆる有明海を始め、はるか雲仙、多良岳を望み、大牟田、荒尾両市を一望に見渡すことのできる標高56メートルの山頂に四ッ山神社は古くから虚空蔵さんと呼ばれて来ました。
神殿玉垣内にある四ッ山古墳は六世紀後半に築造された横穴式巨石古墳ですが、早くから表土が露出して奇巌一塊となって山頂に聳えていました。
この巨石には虚空蔵菩薩が空中より降臨された所であるという伝説が、生まれ延久二年(西紀1070年)菊池氏の初代である菊池則隆公が、その所領たる肥後菊池郡に下向した際、初めて堂宇を建立したと伝えられています。
その後、慶長十年(1605年)加藤清正公により再建され、その頃より虚空蔵信仰は益々盛んになり近郷近在に広まっていきました。細川家の所領となり代々崇敬の念厚く度々社参され細川家の定紋幔幕を奉納されてより四ッ山神社の社紋となりました。
明治元年、行政上の処置として神仏の習合を分離されることになりましたので、虚空蔵尊の徳に相当する「造化の三神」の神霊を勧請し、四ッ山神社として発足することになりましたが、やはり虚空蔵さんとして親しまれ、正月初詣でを始め春秋の大祭には十数万人の参拝者で大賑わいを呈しています。 現在のご本殿は昭和三十年に再建されたものです。
御祭神と御神徳
天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神
この三柱の神を「造化の三神」と申し上げ、御神体・本地仏を虚空蔵菩薩と申し上げます。 虚空蔵とは知恵・福徳・財宝・を無尽蔵に包み込み収蔵している宝の蔵で一度念ずれば願いとしてかなわざるものなく、その霊験あらたかなること他に例がないといわれています。 この虚空蔵尊の徳に相当する「造化の三神」を祭神としてお祀りしてありますが、虚空とは大空(宇宙・大自然)という意で、この天地宇宙の中心として森羅万象全ての生命の本源と仰がれる最も尊貴な御神霊を「天みなかぬしの神」と申し上げます。 次にその神霊の陽性の働きをされるのが「高みむすびの神」・陰性の働きをされるのが「神むすびの神」と申し、三神一体となって御神徳を垂れ給うものであります。