杉山社 西明寺の境内つゞきにあり、 村内鎮守三社の一なり、 いつの頃の勧請なりやその年月を伝へず、 例祭は九月二十九日隔年に行へり、 村内西明寺の門徒正覚寺の持なりしが、廃院の後本寺の持となれり 神明社 小名山谷にあり、 神明の例祭九月二十九日、 村民の持、 相殿総社権現、 神体は木の立像長一尺五寸束帯の状なり、 この社は正徳の頃迄は村のはづれ多摩川の傍にありて、則村内成就院の持なりしが、 多摩川の岸缺崩れ其地を失ひたれば、神明の社に合せ祭れりと、 この二社に前の一社を合せて村内三社の鎮守とよべり、 元徳三年の断碑一枚社地にあり こゝに伝るゆへんをしらず