あえて挙げるなら、『平家物語』剣巻の「此剣大蛇の尾に在りし時、黒雲常に覆ふ。故に天叢雲剣と名づけたり。此の大蛇は、尾より風を出し、頭より雨をふらす、風水龍王の天降りけるなり」かなと思うのですが、雨は大蛇の尾ではなく頭から降っているんですね。https://t.co/MzS9cpDOlF

— k.hisadome (@HisadomeK) October 23, 2019

『平家物語』剣巻には、日本武尊、新羅の沙門道行、生不動と続くのですが、雨のエピソードは見当たりませんね。

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谷川健一編『日本の神々10 東海』の「熱田神宮」(津田豊彦)に「近世にも尾張藩主をはじめ庶民にいたるまで当社に請雨・止雨の祈願をしばしば行った」「当社の請雨・止雨祈願は、あるいは神剣—八岐大蛇・大蛇—水神といった連想によるものであろうか」という記述が有りました。 pic.twitter.com/qi0j0Kuv1F

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おっと誤記が有った。
「神剣—八岐大蛇・大蛇—水神」は正しくは「神剣―八岐大蛇・龍神―水神」です。

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ただ、明確に「神剣に請雨・止雨を祈願する」という形式の神事は見当たりません。津田豊彦氏の記述も断言はしていませんし。

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『続日本紀』の「奉馬于芳野水分峰神、祈雨也」(文武天皇二年四月午日)などに見られるように、祈雨に馬が奉納される例が多いのは確かですけどね。

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小林幸夫『馬の頭の風流—祭礼と見世物と—』では「雨乞祈願がしきりに熱田神宮にかけられるのも、摂社龍神社・清水社の竜神信仰と密接に結びつくからに相違ない。水の神の化身龍神に馬は献じられるのである」と述べられていました。https://t.co/zy9OyvyT5s
(PDFは下から見てください)

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ただし、熱田神宮の摂社・龍神社は神泉苑の善女龍王に由来するという事なので、土用殿に奉安された天叢雲剣に対して馬を献しているわけではないようです。

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前記論文によると、熱田神宮の馬頭会で用いられる鞍について「この鞍に雨乞祈願すれば、たちまちにして雨降るというのだ。この鞍は日本武尊が東夷征伐の折に用いたという古伝が存在する」そうです。
注によると「馬の頭の起源もまた、この日本武尊の東夷伝説と結びつけて語られるのである」とのこと。

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というわけで、熱田神宮に祈雨の信仰があることは間違い無いのですが、それが天叢雲剣にダイレクトに結び付く伝承・神事の類は今のところ見つかっていません。

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もし熱田神宮の天叢雲剣を祈雨信仰と結び付ける伝承が見つかったとしても、それを宮中の天叢雲剣にも適用して良いのか?というのも有りますし。

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