クローズ・ユア・アイズ
日本に向かう船上で武三は肺炎の為に息を引き取る。天国へ連れていくために現れた天使・プロキオンは武三の体から魂を抜こうとするその瞬間、武三は起きあがる。プロキオンは武三に天国に行くように説得するが、武三にはやり残したことがあり、説得に応じない。死んだ状態で帰国した武三を待つものは・・・・

夏公演「カレッジ・オブ・ザ・ウインド」の構成と丁度逆。カレッジでは主人公以外はの家族は幽霊。今回は主人公だけが幽霊。どちらも、死と家族をテーマにしており似ているような感じたを受けた。
物語的には、なんか纏まりがいまいちと感じてしまった。登場人物一人一人にこだわりすぎて、武三がぼやけてしまった様に感じた。特に不満に思ったのは、武三の思いの中心であったハズの恋人の幸代に対する思い、それが後半は仁太郎、母親に対する思いにすり替わってしまった点。単純に考えて、生きようとするエネルギーが幸代に対する思いだったら、彼女が死んだのを知った瞬間に成仏(?)してしまうのではと思えてしまい違和感を感じた。最後に幸恵の消息を知り成仏しようとする瞬間に母親があらわれるって展開だったらまだ、すっきりしたんじゃないかと思います。とはいえ、良くも悪くもキャラメル、いろいろなエピソードを綴り、最後はホロリ。元気を与えてくれる物語であった。