OVER THE CENTURY 〜百年の彼方に〜
時は今から100年前、とある教会での話。
この教会の神父は、前神父のケントから引き継いだ穣治(村田)がしていた。穣治は説教もお祈りもしない神父であった。それが原因なのか教会の信徒は一人しかいなかった。しかし教会には穣治を慕う、せつ(西牟田)、弥助(川原)、房子(水森)らが出入りしていた。
19世紀最後の降誕祭の前夜、基督福祉教会からきたという磯貝があらわれて、聖書をろくに読んだこともなく、基督教の歴史も知らない穣治には神父の資格は無い、教会を明け渡せと迫る。公爵の有栖川夫婦(三宅、森若)も現れなにやら不穏な空気が・・・・

今世紀初観劇となった作品。泪目銀座はいつものごとく、笑いの中に涙有りの期待通りの作品でした。(まー、多少のご都合主義はありますが)時代設定が100年前であり劇中の人物が希望を持つのが終わった20世紀というのはなにかしらの意図を含んでいたのだろうか?
基本的には喜劇であるが、笑いの中にどころどころ考えさせられるせりふもあり。磯貝が穣治の行動を非難するのに対しせつが、「みんなに愛されるのが主・・・・穣治教よ」って言うせりふがつぼでした。宗教などとは縁が無い私である。が、心のよりどころとか、未来とか、誰かや何かによって決められたものでなく自分が決めたい(例えそれが、結局間違いであっても)と普段から思っているわしには共感できるせりふでした。
人の良く、ちょっとお馬鹿な役は村田さんにぴったし。このところ注目している西牟田さん、やっぱ良い。今回のような役をしているのを観たのは初。穣治を大切に思う気持ちがよく伝わり、うまい女優さんだとつくづく感じました