赤シャツ
お馴染み夏目漱石の「坊ちゃん」を題材にした作品。この作品では坊ちゃんの出番はありません。あの、赤シャツの視点で語られます。さて赤シャツからみた坊ちゃんの世界は・・・・

昨年東京で上演されていたときに面白い芝居だと聞いていたので、今回観る機会が得られたことは良かった。舞台の設定は、坊ちゃんから拝借している。しかし、坊ちゃんはセリフだけで少し登場するだけで、主人公は赤シャツである。原作と同じセリフを赤シャツに語らせているのですが、この舞台を見終わったあとは坊ちゃんの世界観が180度変わってしまいます。登場人物が全く違った印象に感じてしまうのです。嫌なヤツに思えたの赤シャツが、なんとも人間らしい愛おしいヤツに思えてきて、反対に坊ちゃんはホントに無鉄砲でしょうがないヤツだと思えてくるから不思議です。人は見かけじゃないとか、物事はいろいろな角度から見なければならないとか良く言われるが、この舞台を観た後ではその言葉が改めて思い出された。意外と現実もこんなものかもしれない。脚本のうまさに感心するばかりである。
もし、この作品を観る機会があるようでしたら、多少無理しても観る価値のある作品である。