ここで、Fig.2に示した重力発現モデルを説明する。
質量が同じで反対の電荷を持つ量子力学の反物質に倣い、物体が存在すればそれと相似な空間の存在を考える。
例えば、Fig.4_2の灰色の実体の無い部分=バネの空隙部分と考えれば良い。
また、電磁波は実体の無い空間の伸縮による疎密波であり、電磁エネルギの伝播を担うインダクタンスを持っている。
これに倣って、その空間とは実体は無いが、力エネルギの伝播を担う柔性を持っていると解釈する。
補足資料で示した力学と電磁気学の相似則を参照
つまり、Fig.2ではその空間を両脇の物体の柔性が投影されたバネと考える訳である。 Fig.4_1の左図参照
本報の空間が反物質の考え方と異なるのは、空間の柔性は両脇の物体との隣接距離に応じて決まる事である。
柔性値を持つ両脇の物体を基準にすると、仮にその物体がn個繋がれば柔性はn倍になる。*4
空間の長さ=両物体の隣接距離は物体自身の長さの何個分になるかを計算すれば空間が持つ柔性値が求められる。
両物体の隣接距離に比例して物体間の空間の柔性は大きくなる。
空間の柔性が大きくなるという事はその復元力は小さくなる。
これが万有引力の公式に於いて、分母に距離Lの2乗が来る事に相当する。
言い換えると、万有引力とは物体間に挟まれた空間に備わった柔性によって発現する復元力と言える。
一方、実体の無い空間は質量を持つ事は出来ないので、仮想的に両脇の物体の質量を与える事にする。
ここで考える柔性、質量を、両脇の物体の柔性、質量が投影された等価柔性、等価質量と呼ぶ事にする。
アインシュタインは質量の存在を重力場と呼んだが、等価柔性とはそれと対になるバネ場と呼べる。補足資料参照
これは電磁気学に於いて電場と磁場が同時に存在する事と相似の関係にある。
電場と磁場が切り分けられ無いように、重力場とバネ場は切り分ける事が出来ない。
*4:黒体輻射のプランクの公式に於いて光のエネルギが整数比になっている事と同じ意味合いである。
以上のように量子力学と電磁気学を参考に、実体が無くとも等価柔性、等価質量を持つ、すなわち力エネルギを蓄える事で復元力=重力を発現する機能を持った空間モデルが表現される。
なお、空間モデル内には上記のメカニズムを以下の数式を記述した機構モデル(赤枠部)を設けてある。
ここで、以下の様に定義する。
L:隣接距離=空間モデルの長さ(m)(両物体の重心間距離としていない事に注意)
L1、L2:物体の長さ(m)
m1、m2:物体の質量(Kg)
H1、H2:物体の柔性(mN-1)
H_ratio:空間の柔性比(-)
Hm_ratio:空間の質量/柔性比(-)
His_m:空間モデルの等価質量(Kg)
His_H:空間モデルの等価柔性(mN-1)
F_E_obj:熱エネルギ等価力(N)
F0_s:空間モデルの復元力(N)
G_Force:重力(N)
空間モデルの柔性は長さに比例するので、両脇の物体柔性の何倍か?という比率H_ratioを、L、L1、L2を用いて求める。Fig.5参照
H_ratio = L / (L1 + L2) ここでL1、L2は伸縮するのでH_ratioは変動する。
空間モデルの等価柔性His_H、及び等価質量His_mは以下の様に求められる。
His_H = (H1 + H2)・H_ratio
His_m = (m1 + m2) 等価質量は物体の質量m1、m2がそのまま投影される。
His_H、His_mに値が入る事で空間モデルは伸縮が可能となる。
次に、熱エネルギ等価力F_E_objを印加すると復元力F0_sが生じる。
これが空間モデルから両脇の物体モデルへ印加する重力の原資となる。
この値は式(1.5)に従い一定値だが、空間モデルの伸縮を反映させる量としてHm_ratioを求める。
Hm_ratio = (m1・m2) / H_ratio ここでH_ratioの変動を受けてHm_ratioは変動する。
重力G_Forceは以下の式で算出する。
G_Force = F0_s・Hm_ratio Hm_ratioの変動を受けてG_Forceは変動する。 |
(1.6) |
・両脇の物体の隣接距離Lが大→空間モデルの等価柔性His_Hは大きくなる=剛性小→復元力=重力は小さくなる。
・両脇の物体の質量m1、m2が大→空間モデルの等価質量His_mも大→復元力=重力は大きくなる。
・式(1.6)に至るまでに両物体の隣接距離Lが通算2回除算されている。
・これにより万有引力の公式が距離の二乗に反比例する事が表現される。
・万有引力の公式のLは重心間距離だが、式(1.6)に含まれるLは隣接距離という違いがある。
・これが隣接距離L=0=接触しても重心間距離dc > 0ゆえに、重力が無限大にはならない仕組みである。Fig.5参照