海外生活とインターネット
アメリカに渡ってすぐにホテルの部屋でまずやったことはホテルの電話回線で
インターネット接続を確立することであった。
日本から機内持ちこみで持ってきたノートPCを通じて
日本とE-Mailのやり取りができるようになった瞬間
何とも言えない充足感と安堵感を持ったことを覚えている。
それから程なくこのHPを開設して自分の生活の様を日本にいる知己の皆さんに
見てもらえるようになり、またインターネット上の様々な日本に関する
コンテンツに日々を目を通すうちに、ふと、さて10年前にアメリカに
いた人たちはどんな思いで日々を送っていたのだろうと思うようになった。
何しろ今はインターネットを通じて日本のありとあらゆる情報が入手可能である。
一般ニュースやスポーツ、芸能ニュース、各地の天気からイベント情報、
音楽のヒットチャート、新製品情報、などなどとにかく時間さえかければ
日本で普通に生活しているよりも確実で早い情報を入手することが出来る。
さらにRealPlayerやWindowsMediaPlayerなどのアプリをPCにインストールすれば、
日本のラジオ放送やややコマ送りではあるがテレビまで見ることが出来る。
日本人と日本語で取りとめなく話がしたければ、インターネット掲示板やチャット、
メーリングリストなどと言うものがあるし、何よりもE-Mailを通じて身近な友人たちの近況も
何のストレスもなく知ることが出来る。
ところが、英語学習や海外での生活への慣れ、ということになると
インターネットは諸刃の刃となる。
確かにWebを通じて慣れない土地での生活情報を仕入れたり、
英語ページや英語学習ページを見て勉強に役立てたりと、メリットは大きいのだが、
日本語でいつまででも楽しめてしまう場所の誘惑はあまりにも大きく、
いつまでたってもアメリカ生活や英語にどっぷりつかることが出来ない、と言うことになる。
最初の半年ほどはそれを悪の誘惑と捕らえ、逆らえない自分に歯がゆい思いをしたが、
今は、永住覚悟でもなくあくまでテンポラリ滞在であり、また戻る場所が会社であるからには
日本の情報を(例えそれが今現在のモーニング娘。の人数であっても)
僕の使命だと割り切り、前向きにページを覗いている。
一方、日本への帰国後の生活、特に英語力の維持、ということを考えた場合、
裏返しでインターネットはかなり有効な武器になるはずである。
件のRealPlayerなどの放送コンテンツは当然英語の方が遥かに充実しているし、
ましてや読み物系となるとそれこそ底無しである。
事実、いくら日本の情報が入ると言っても、インターネット上のコンテンツの充実度においては
日本はアメリカにかなうわけも無く、アメリカにいないがアメリカの情報が知りたいものにとってこそ
インターネットは最大の福音になると思う。
英語学習本の受け売りではないが、英語を読むことに抵抗が無いというだけで
情報ソースが無限に広がることが、海外に出ずとも体感できる場所がインターネットであると思う。
アメリカに来る前から言葉としては、インターネットはボーダーレス世界を具現化する、
ということは分かっていたが、実際に日本を出てみてその実際を体感できているような気がする。