Turkey, where is it from?
アメリカで家族が集まるパーティーと言えば、感謝祭(Thanksgiving)とクリスマス。
ヨーロッパの伝統ではクリスマスのディナーはハム、ということになっているらしいが、
アメリカではローストターキー(スタッフド)を食べることが多い。
一方で感謝祭と言えば、もう猫も杓子もターキーである。
感謝祭は11月の第4木曜日と決まっているのだが、この週に入るとスーパーマーケットには
ターキーが山積みなって売られる。
ターキーの料理法は、スタッフィング(詰め物)+ローストのほぼ1種類と言っても良い。
買ってきたターキーは予め詰め物用に臓器などは取り除かれているから、
クビの部分からどんどん詰めこんでいくだけである。
料理法は一種類と書いたが、実際には詰め物のレシピが、○○家の伝統、の見せ所になる。
具体的なレシピは末尾のリンクを参照して頂くとして、とりあえずは砕いたパン、に
干しぶどう、りんごなどのフルーツ類、などが一般的なようだ。
後は入り口をふさいで、ローストするだけになるが、ターキー大きさに応じて
5時間から8時間、しかも乾燥しやすい鳥なので、30分おきにスープストックをぶっ掛けたりと
かなり手間ヒマがかかる。ということで、家によっては、丸ごと揚げて(Deep fry)しまったりもする。
さて、ここで素朴な疑問が浮かんでくる。何故ターキーはTurkeyと呼ばれるのか?
Turkeyといえばトルコという意味である。
漆塗りをJapanと呼んだり、陶器をChinaと呼んだりする先例から、ターキーもトルコからやってきたのか?
答えはちょっと複雑であった。
16世紀初頭にメキシコからスペイン人によってターキーがヨーロッパに持ちこまれた。
この鳥に姿形が良く似た鳥で、Guinia Fowlというのがそのころヨーロッパで食用に流通していた。
このギニアフォウル、アフリカ大陸北部の原産の鳥だったのだが、何故か当時のヨーロッパでは
Isramic(=Turkey)から来た事になっていたらしい。で、ターキーはこのギニアフォウルの後釜に
座ったために先代の通り名、Turkeyをそのまま頂いてしまったのがことの顛末。
ターキー料理(ギニアフォウルを使っていた時代を含む)はイギリスで当時非常に人気があったらしく
17世紀のイギリスからのアメリカの植民者たちが養殖されたターキーを持ちこんだことで
感謝祭にターキーを食べる習慣が根付いたそうだ。感謝祭のターキーと言えば、インディアンが
入植者たちに振舞った話なんかが美談として残っていたりするけど、実際には入植者は
自分で持ちこんでいた、という話。
ギニアフォウルをいう鳥と取り違えられ、そのギニアフォウルがトルコから来たと
勘違いされていたこと、の2つの誤解がターキーと言う名前をもたらしたということ。
アメリカ原産ではあるけど、いまアメリカに流通しているターキーはイギリスから
再輸入されたものだと言うこと。
こうやって見てみると、実にこの鳥には色々な誤解が付きまとっていることがわかる。
ちなみにアメリカには野生のターキーも存在し、なんと彼らは短距離ではあるが空を飛ぶこともでいる。
ただし、数が少ないと言うことで、一般的に狩ることも食べることも禁止されている。
さて、ターキーといえば日本では七面鳥、と呼ばれているが、
この理由は本家とは違って実にまっとうである。
ターキーはあごの下に塊がぶら下がっているのだが、これの色が色々と変わることから
七面、を持つ鳥、とよばれるようになったそうだ。
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