ニューイングランドの四季にまつわる話
その2 Snow Storm Nor'Easter
ニューイングランドにとって2000−2001年の冬シーズンは、
歴史的とテレビの天気予報が呼ぶほど雪の多い年であったらしい。
事実、過去5年は一度も無かった、50cmを超える雪が三度も降った。
2月から3月の初旬にかけて、アメリカ北東部に大雪を降らせる典型的な嵐のことを
Nor’Easter(ノアイースター)と呼ぶ。
例えば日本の日本海よりでは、北から降りてきた寒気が、海上で湿度をたっぷり蓄え
山脈にぶち当たって停滞し、大量に雪が降る、というのは素人目にも分かりやすかったのだが、
ニューイングランドのような位置で、この場所だけに特に雪を降らせるメカニズムと言うのは
よく分からない、というのが本音であった。
Nor'Easterというのは、典型的には2つのストームシステムの合作によるものである。
フロリダの南で発生した暖かく湿度を多く含んだ低気圧が東海岸沿いを北上するというのが一つ。
もう一つは、カナダを南下してくる乾燥した寒気団。
この二つ、ぶつかる場所はマサチューセッツの東端ケープコッドの沖と決まっているらしい。
結果的に、寒気団によって、湿気の多い低気圧の高度が押し上げられ、
温度が低下することによって、大量の湿気が雪と化して降ってくる、というのが理屈。
この嵐、半時計回りにニューイングランドの内陸部に大きく張りだし、
海上に居続ける嵐の本体は常に水分を補給される状態、になる。
やがてはメイン州の沖合いを北東部に抜けていくのだが、その進行速度が遅くなると
内陸部に大雪を降らせることになる。
この嵐の最大の味噌は(管理人が思うところ)複数のシステムの合作によるもので
とんでもない予報士泣かせ、という点である。今年のNor'Easterの予報に関して言えば
到着時間、規模、ともに予想はすがすがしいほど外れていた。