基本的に、スピード能力は、相対的にしか測定できません。つまり、他の馬と比べて速いかどうかしかわからないのです。WEB上のいくつかの場所で数値化の試みが行われていますが、その基準がまちまちなため、表現がバラバラになってしまっています。ここで述べるのは、私が最も自然だと考える基準による数値化です。
まず、根拠は私にもよくわからない(正しいと仮定して矛盾が生じないという消極的な根拠しかない)のですが、次のようにスピード値を8分割するのが一般的になっています。
| スピード | 根性コメントの出る(はずの)週 | スピードコメントの出る(はずの)週 |
| A | 2/4 | 2/3 |
| B | 2/3 | 2/4 |
| C | 2/2 | 2/1 |
| D | 2/1 | 2/2 |
| E | 1/4 | 1/3 |
| F | 1/3 | 1/4 |
| G | 1/2 | 1/1 |
| H | 1/1 | 1/2 |
では大まかなスピードの判定法に移りましょう。基本となるのは、完全に能力を上げきってBCで他の馬と走らせてみることです。コメント週が同じ馬どうしを走らせた場合、もしスピードに差があればそれは8段階以上の差があるということであり、この差はある程度はっきりと視認できます。似たような走りをするのであればその2頭はまったく同じスピード値を持っていると考えて構わないでしょう。違うコメント週の馬どうしで走らせて似たようなスピードだと思われるときには、コメント週によって細かい差を判断できます。
完全に仕上げるのではなく大まかなスピードを判断する方法もあります。ただし、遅普通・晩成・超晩成の馬どうしでしか比較できません(理由は後述します)。名前変えが存在する旧PS/SS版での方法は別記(まだ書けていません)を見ていただくとして、99でも使える方法を述べます。スタミナを放牧でゼロにするのです。放牧耐回数+10回以上放牧すれば確実にスタミナをゼロにできます(「ダビスタ99/SS/PS スタミナ能力の数値化」を参照してください)から、調教を一切せず(おまかせ厩舎チェックを外すのを忘れずに)、4歳7月を過ぎてから(4歳9月にBC登録するのでその前三ヶ月以内に)一戦します。もちろん負けるはずです。4歳9月になったら遠征キャンセル(注1)で馬体重をベスト以下にします。これが重要です。ベスト以上だと、太さに応じてBCに出走したときのスピードが削られてしまうのです。ベスト以下だとスタミナが削られます(注2)が、どうせ0ですので変化ありません。4歳9月まで待たないと、BC登録のときにスピードが削られて登録されてしまうしまうことがあります(注3)し、4歳10月をすぎると遠征キャンセルができなくなります(未勝利戦が地方にしかなくなってしまう)。4歳9月までに20回は放牧できるので、どんなにスタミナのある馬でもスタミナを0にできます(注4)。ベスト体重以下になったらBC登録して、同じようにした他の馬と印を比べます。スピードが上の馬に、スピードとスタミナの合計の印である上2がつきます。ただし、体調不良(ベスト体重のときには「塩なし」の形になって現れるもの)やイレコミ・超絶がなければ、ですので、何度もBCをしなければなりません。また、微妙な差は、枠順や細かい調子によって帳消しにされてしまい、片方に印がついたり逆だったり頻繁に入れ替わることがありますので、その場合はコメント週によって判断してください。
さて、上記で判断できるのは、「ダビスタ99/SS/PS スタミナ能力の数値化」で述べた「初期能力」です。その全能力に対する比率が一定だから比較できるのかというと、事はそう簡単には運びません。スタミナは調教を施したり入廐・放牧をしたりしない限り変化しませんが、スピードは何もしなくても自然に上がっていくのです。その自然な成長が止まるのが、牧場で「入廐OK」のコメントをもらう時期であると言われています。この時のスピード値を、「入廐OK時能力」と呼び、3歳1月1週の時点での「初期能力」と区別することにしましょう。
初期能力の全能力に対する割合は、同じ成長型の馬どうし、あるいは旧PS/SS版の同一固定別名馬どうしでも、完全に一定ではありません。当歳・二歳時の売却価格に反映されているのはこの初期能力だと考えるのが自然でしょう。一方、遅普通・晩成・超晩成の馬の入廐OK時能力の、全能力に対する割合は一定です。上記の、スタミナをゼロにする方法で全能力を判断して、矛盾は生じません。
「スピードが成長して、全能力に対して一定の割合に達したときに、入廐OKコメントが出る」と考えると、96との違い(初期能力・売却価格・入廐OK時期それぞれ一つだけで全能力を知ることはできなくなった)に納得がいきます。つまり、
(初期能力+入廐OKまでに上がるスピード)=入廐OK時能力=(全能力×一定の割合)
であることは96と同じでも、初期能力と入廐OKまでに上がるスピードとの割合はランダム(完全にではないようですが)になったのでしょう。96では
(初期能力÷一定の割合α)=(入廐OKまでに上がるスピード÷(1−α))=入廐OK時能力=(全能力×一定の割合β)
だったのが、旧PS/SS版/99では、
(初期能力+入廐OKまでに上がるスピード(二つの割合はランダム))=入廐OK時能力=(全能力×一定の割合)
になったということです。また、「スピードが成長して、全能力に対して一定の割合に達したときに、入廐OKコメントが出る」ということは、常に4月1週に入廐OKコメントが出る早熟・普通の馬は、1月1週の時点ですでにスピードが「入廐OK」のコメントをもらえるラインに達しており、スピードの成長は4月2週から始まる、と考えて良いのではないでしょうか。「1月にSPコメントが出ず3月に出る、ということはないが、3月までに出なかったSPコメントが4月以降に出始めることはある」という経験則とも合致します。
したがって、スピードが成長せず、初期能力が全能力の一定の割合を最初から超えてしまっている早熟・普通の馬では、スタミナをゼロにして比較する方法は使えず、調教で仕上げてスピードを判断するしかないわけです。
これで相対的なスピードはわかるようになりました。次に数値化をはかります。スタミナは放牧で削ることができるので初期能力を数値化できましたが、スピードは意図したとおりに削ることができません。そこで、「入廐OK時能力は全能力の半分である」という仮説をたててみましょう。スタミナの初期能力が全能力の半分であることから、それほど不自然な仮説ではないと思われます。そうすると、入廐OK後、全スピード能力を仕上げるのに必要な調教回数の2倍が全能力だということに当然なります。しかし、スピード調教は、全スピード能力が仕上がると、スタミナを上げる効果が出てきてしまうことが実験で知られています。この問題は先にスタミナ能力を仕上げきっておくことで回避できますが、より大きな問題が存在します。スピード調教では、成長型と馬齢に応じた、全能力に対するある一定の割合までしか、スピードを上げることができないのです。その割合までスピードが達すると、スピード調教はスタミナアップ効果しか発揮しなくなり、スタミナが仕上がっていると、まったく効果がなくなります。どんなに素質のある馬でも、成長型が超晩成の場合、調教のみによって4歳時にすべてのスピード能力を発揮させることはできません(注5)。したがって、必要調教回数を数えようにも、スピードアップ効果のない調教の回数をカウントしてしまう可能性があるのです。早熟・普通型では、そもそも入廐OK時能力がわかりませんから、全能力もわかりません。調教の代わりにレースでスピードアップをはかれば成長型と馬齢による制限の問題はなくなりますが、戦績が変わってしまいますので、いつまでもパスワードが変化し続け、仕上がりきったかどうかがわかりません。そこで、もう一つ仮説をたてましょう。「スタミナと同じく、スピードもその時点で35以上の場合にコメントされる」。これも不自然な仮定ではないでしょう。
相対的な比較はできるのですから、「ある馬に対してはスピードコメントが出ないが、その一つ上のスピードの馬にはコメントが出る」という境界上にいる馬を探せばよいわけです。その、ギリギリでスピードコメントが出る馬のスピードを70(=35×2)と数値化することにしましょう。ここで問題は、「スピードコメントは入廐OK前にしか確認できない」ことです。これを、いわゆる「入廐遅れ現象」を人為的に起こすことで回避します。入廐OKコメント後入廐させ、スピード調教を施さずに調子を「特に良くない」か「少しバテ気味」にして放牧するのです。やりました。大変でした。40戦40勝の馬を何頭、十何頭もつくるよりは楽でしょうけどね(笑) 調子を知るには体重を落とさねばなりません。調子が「少しバテ気味」でなくなると入廐OKコメントが出てしまいスピードコメントが聞けませんし、スピードコメントは二ヶ月に一度しか言われる機会がありません。さらに4歳になると絶望です。そうして見つけたスピードコメントぎりぎりの馬が、下の二頭です(99)。
ぬいすあべ みぬきめゆ しみもひわ せれひがで げげしげだ くめぐぬへ つぞらやば ぼ
;アリア 2/3根性,晩成8/1入廐OK,6/4SPコメントなし,8/4SPコメントあり
りへへうへ いぐえのく げゆろあぎ よぬぼだゆ らぶこきら そつねなま けぺやはけ ひ
;ナシヤ 2/2根性,晩成6/2入廐OK,6/1SPコメントなし,8/1SPコメントなし
どちらもスタミナをゼロにし、体重をベスト以下に削って、最終レース後3か月以内、4歳9月以降に取得した登録コード(ゼロコードと呼ぶことにします)です。良く似たスピード(上2の印)をしているのに、アリアは入廐OK後にスピードコメントが出ており、ナシヤは出ていません。そのスピードの差は根性コメント週から考えて1ですから、ここがスピードコメントの境界線だと言って良いでしょう。したがって、アリアのスピードを70と数値化することができます。
さて、この数値化は、「入廐OK時能力は全能力の半分である」「スタミナと同じく、スピードもその時点で35以上の場合にコメントされる」という二つの仮定によって成り立っています。そこで、この仮定が正しいかどうか、少しでも検証してみることにしましょう。アリアのスピードの必要調教回数を、むりやり数えてみるのです。
スピード調教を一切行わずスタミナ・根性・気性を上げる調教だけで4歳10月に未勝利戦を勝たせ(意外とカンタンです)、スタミナが仕上がっていることを確認します。それから何もせず厩舎にほったらかし、6歳になってからスピード調教を開始するのです。30回スピード調教して、登録コード確認。31回目のスピード調教を行い、スタミナ調教で体重を調整して、確認。32回、33回……33回調教したあとの登録コードと、34回調教後の登録コードとが、一致しました。レースで上がるスピードを芝調教2本分とすると、33+2=35。問題ありませんね。Q.E.D.(笑)
あとは、いろいろなスピードのゼロコードを取得しておけば、根性コメント週とあわせて、遅普通以降の馬に関しては、スピードを数値化することができます。わざわざそのための生産をしなくても、アリアに何回かスピード調教を施し、一戦する前に別の名前にして、ゼロコードを取得すれば良さそうですね。しかし、あまりたくさんスピード調教をしてしまうと、成長型と馬齢によるスピード制限にひっかかってしまう可能性があります。以下に各スピードのゼロコードを挙げておきます。
けううごう きまちわぽ きどねざぱ ふくぐみぼ ちばほやろ るめかせれ ためのごぬ す
;ヨンジュウイチ 2/3根性,晩成7/2入廐OK,6/4SPコメント,最終SP78
ねおおぎお ぼなりはぞ んばけぱざ つむてもい りどわらた へせゆれい ろせえうと ら
;ヨンジュウゴ 2/3根性,晩成7/2入廐OK,6/4SPコメント,最終SP86
はけちかに えたげりき ふれれがえ そそえつめ くろりもめ ごらぞべの まもてみろ ぺ
;ヨンジュウキュウ 2/3根性,晩成7/4入廐OK,4/4SPコメント,最終SP94
馬名は、最終SP÷2+レースによるスピードアップ2(つまりBC登録時のスピード)を示しています。
SPコメントの時期と入廐OK時期とで、ある程度最終SPの範囲が絞りこめるのがわかりますか。初期SPをaとします。6/4に初めてSPコメントが出た場合、毎週1ずつSPが成長すると仮定すると、
a+3≦34 ……4/4にコメントなし
a+11≧35 ……6/4にコメントあり
また、入廐OKが7/2の場合、最終SPをbとすると、
b=2×(a+13)
したがって、
74≦b≦88+1 ……最終SPが奇数のときは必要調教回数のほうが1大きい
となりますね。自然で正確な数値化の威力の一つで、苦労したかいがあると思いませんか?(笑) しかし、この数値化にはまだ他に良いところがあり、早熟・普通の馬のSPの判定や、繁殖牝馬の取捨に関わってきます。それについては、またそのうち……(気が向けば)。
注1:地方に出走登録すると「いったん入廐します」と言われ、馬体重が減ります。キャンセルして中央に出走登録、キャンセルして地方に登録、と繰り返すことで、調教なしで馬体重を減らすことができるのです。
注2:最初は攻略本に載っていた情報です。正しいと仮定して矛盾しないので認められています。スタミナよりも馬体重の軽さが重要な旧PS版BCに出走させるため、ベスト体重380kgの馬を374kgで登録する、というようなことも、私はしたことがあります。
注3:超早熟馬が、4歳5月に仕上がったはずなのに、何もせず7月にしてBC登録すると登録コードが変わっていたことがありました。後に「壁」と呼ばれるようになったものですが、馬の能力自体は変化しないまま、馬齢によるスピード制限が外れたのです。どんな場合でも、4歳7月以前にBC登録することは避けた方が無難です。超早熟馬には4歳4月以降にレースに出すと能力が落ちてしまうものがおり、最終レース後3ヵ月以内にBC登録しようとすると辛い場合もありますが、ピーク後の出走で落ちてしまった能力は調教で回復することができます。
注4:旧PS/SS版/99で最もスタミナのある馬は、おそらく私のリツコアンサインド(「SS版ダビスタ トカトントン生産馬」参照)でしょうが、128(放牧7回耐)です。
注5:96で「超晩成4歳仕上げ」という育成法が流行しましたが、スピードを調教ではなくレースで上げていくものでした。