道路を走る鉄道車両(その1)


北陸地方福井県・・・この県には二つの私鉄会社が存在します

一つは元京福電鉄で、事故休止後復活したえちぜん鉄道、そしてもう一つがこの福井鉄道です

かつて複数の路線を要していた福井鉄道も、モータリゼーション化の波に押され現在は福井市内の田原町〜武生新を結ぶ福武線だけが

存在しています、よくあるローカル私鉄ですが、福井鉄道には現在では少なくなってしまった併用軌道があるという特徴があります、鉄道車両の

併用軌道で現存しているのは他にも江ノ電や熊本電鉄がありますが、福井鉄道は複線で距離もあり、しかも電停もあるという路面電車と遜色の

ない?併用軌道で、その上を大型の電車が走る様はここでしか見られない光景です

しかし車両の老朽化やバリアフリー化の流れにより、従来の車両の大半を名鉄より購入した路面電車形車両に置き換えるという計画が発表さ

れ、街中を大型の車両が走るという光景も朝夕ラッシュ時だけとなり、旧型車両はほとんどが廃車になるのも間近ということで最後の姿を納める

べく乗車&撮影をしてきました

 

現在の路線は田原町〜武生新で、それに途中の市役所前から分岐する福井駅前まで

の枝線が加わります、写真は田原町駅、この駅はえちぜん鉄道と接続していてY字状に

広がったホームを福井鉄道とえちぜん鉄道で使用しています、車両の走っているホーム

がえちぜん鉄道、右側の線路が福井鉄道になっています、なお福井鉄道側は無人駅で

すがえちぜん鉄道側の改札口には女性駅員がいました、駅は年代を感じさせる木造の

駅舎でした

 

田原町を出るとすぐに急カーブして道路上に出ます

ここから福井新までの3キロ近くが併用軌道です、すでに試運転を行っていた元名鉄の

車両、名鉄岐阜市内線等の廃止により余剰となった車両を購入することによって、老朽

化の進んでいた従来車を廃車し、なおかつ低床化を図ることで乗降もし易くなるという一

石二鳥の置き換えにより、従来の大型車は一部を除き廃車になるそうです

 

こうしてみると地方私鉄の小型な車両とはいえ、やはり鉄道車両は大きいですね

この車両は300形といい元静岡鉄道の車両で、静岡鉄道自社製造という驚きの車両で

す、20年ほど前に福井に入線しクロスシート化、ステップ取り付けなどの改造を受けて現

在に至っています、老朽化が進み2両×3編成全車廃車になるそうです

 

 

福井鉄道車両の特徴、ステップ

併用軌道線の電停での乗降の為に付けられていて、駅に停車するたびに「ガタン」と

音がして降りてきます、通常走行時は折りたたまれて格納されています

大変味のある機構ですが、バリアフリー化が叫ばれる現代、このような形態が生き残る

ことは難しいのかもしれません

 

市役所前電停

ここよりJR福井駅前電停までの一区間の枝線が分岐しています、福井鉄道の運行形態

も変わっていて、田原町を出た電車は一旦福井駅前への枝線に入り、折り返しここ市役

所前まで戻ってきて、再び武生新を目指すという運行形態をとっています、逆に武生新

からやってきた電車は、福井駅前に入らず素通りして田原町へ向かいます、基本的には

この運用ですが、朝夕の一部や昼の急行では例外もあります

 

JR福井駅前電停

枝線は単線で、商店街の真ん中で唐突に終わる感じです、ここからJR福井駅までは徒

歩10分もかからないでしょうか?

近年周囲の商店街と共に電停もリニューアルされ、だいぶきれいになりました

 

以前の福井駅前電停

周囲の商店街もごみごみした感じで電停も古く汚く、最初に来たとき、

”え?こんなところに駅があってこんなところで終わりなの?”

と驚いたのを覚えています、手前に続く線路は道路の途中でぷっつりと切れており、終

端表示も車止めも何もありません

 

福井駅前の枝線から市役所前電停に戻ってきた武生新行き

戻ってきた電車はここ市役所前でスイッチバックし、再び武生新を目指します、福井駅前

枝線への進入がデルタ線状になっていればこのような運行形態はとらなくてよかったの

でしょうが・・・ここも福井鉄道の見所の一つです

 

戻ってきた電車は一旦下り田原町方面ホームに停車し、進行方向を切り替えます

 

渡り線を通り上り武生新方面ホームへ

この車両は80形で、2編成のうち1本は広告車体ではなく、渋いオリジナル塗装を保ち人

気があります、車内はクロスシート、大変レトロな内装で窓枠は木製のようでしたが、カ

ルダン駆動で吊り掛けではありません、元々は南海からやってきたようですが数度の改

造で原型はとどめていないようです、それでも現車体は昭和31年製という古豪で、このた

びの置き換えにより近いうちに廃車の運命のようです

 

その2へつづく

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