Update 01/05/27

ぶらっと茨城


旭村に咲く未来の花


 5月のとある日曜日、暖かい日差しを受けながら私は旭村を目指していました。旭村は大洗町の南に位置し、涸沼と太平洋に面しています。車は町の真ん中を南北に横断するR51を通り、旭村役場入り口の交差点を海側に曲がって、細くなった道をしばらく進みました。海から吹く風が強く、道路の両側に広がる畑の土が舞い上がり、目の前を黄色くふさいでいます。

 車を停め、なだらかな斜面を進み海岸へ降りていくと砂浜が見えて来ました。5月の海は釣りをしたり,砂浜近辺を散策する人たちが何人かいる程度で,静かです。

 場所的には,旭村湯坪になる砂浜に,小さなハマナスの群生地があります。ハマナスは北の植物で、太平洋側のハマナスの南限地は鹿嶋市にあたり、「ハマナス自生南限地帯」は国の天然記念物に指定されている程です。鹿嶋の方はもっと広く自生しているようですが,ここは長さ約10メートル,幅約5メートルと小さなものです。実はこのハマナス,絶滅が心配されており,この回りが柵で覆われていてむやみに人が入らないように保護されています。

 ところで、俳句などをたしなまない私でありますが,昔から好きな俳句が一つあります。

      はまなすや 今も沖には 未来あり

                 中村草田男


 遥か遠くの水平線を見ているとこの句を思い出し、夢と希望を私に与えてくれます。赤いハマナスが咲くその後ろを振り返ると、青い海と白い雲が広がっていました。



ハマナスは「においバラ」と呼ばれ香料に利用されます