エドワルド・ヴァン・ベイヌム指揮
ロイヤル コンセルトヘボウ 管弦楽団

PHILIPS 442 731-2

1956年9月
アムステルダムコンセルトヘボウ




1956年9月とあるこの録音は当然モノラルで、当時のものとしても音質は良好とは言い難く、金管楽器は硬質に響き、オーボエなどは違う楽器のような音をだす時があります。
英デッカやEMIだと もうちょっと聴きやすい音だと思いますけど。

情熱的で、 即興性に富んだ第1楽章。
出だしでソロリと始まった演奏が 先に進むにつれて グングンと高揚していくのが 聴いていてワクワクさせられます。
私はこういう演奏好きだな〜
展開部に入ると クレシェンド毎にアッチェラランドがかかり、スピードが変化し、493小節からの全合奏やコーダでは フルヴェンに近い熱狂的な音が出現する
なかなか こういうのには お目にかかれない。
ただ このaccel.も 曲全体を見通した上での統一された意思を持って行われているようには聞こえない。

スケルツオ、 第1楽章の情熱そのままに早めのテンポによる、輪郭のハッキリした小気味良い演奏です。

この演奏全体に 「p」が無い。というか感じないのです。
スコアに「pp」とあっても 「mf」かひょっとして「ff」くらいの音が 耳につきます。

そういった意味で残念なのが、アダージョで、 情感というか ヴァントやチェリで感じる深い内面の表現が聞こえてきません。
途中から グッと テンポを落とすようですが、、、

象徴的なのが 155小節のコラール。
ビックリマーク付きのフォルテで「アッケラカ〜ン」といった風情に聞えてしまう。
ま これはこれで 良いかな?

この演奏を聴いて、正直な話 改めてフルトヴェングラーの偉大さを感じてしまいました。