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ロヴロ・フォン・マタチッチ チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 SUPRAPHON COCO-78423 1980/12/4〜5 ライブ |
巨匠によるライブ!!
第1楽章 大事な そして初めてのペットとティンパニによる付点リズムを少し外し気味に始まるなどライブらしい緊張感で始まる。
曲が進むにつれて 細かい事は気にせずに「大河の流れ」の如く、悠久の足取りで、音楽は輝き始める。
ライブ特有の熱気を伴いつつ、アダージョを頂点に求心力は増していく。
このアダージョだけをとれば、ベスト3に入るのではと思うほどの名演で途中から私は完全に引き込まれてしまった。。。
特に弦によるコラールはムラヴィンスキー盤に匹敵する透明さと
情景を浮かびあがらせており、kuniの琴線に触れてしまい、思わず呼吸が止まる。
スプラフォンによるチェコpo.ということで頭に浮かぶのは当然スメタナやドヴォルザークで聴けるあの「いぶし銀」とも表される弦の音色だが、このライブ録音においてはその音ではなく重厚なブルックナーサウンドを奏でていて意外だった。
あの音で鳴るブル9も聴いてみたいものです。
二つほど気になる点。
曲の一番最後の弦楽器がピッチカートではなく 普通に4分音符を(ボーイング)弾いているのだが、これは何故だろう?
ジャケットには「原典版」とあるが・・・
マタチッチ独自の理屈が有るのだろうけど ちょっと 異質なものを感じる。
ミキシングの影響だと思うが、トランペットが完全に右のスピーカーからのみ聞こえて来る。
まるでステージのそでで、吹いているようで、耳についてしょうがなかった。
N響の定期会員だった頃、マタチッチの生演奏に何度が立ち会う事ができました。
詳細はもう忘れましたが、ワーグナーの「葬送行進曲」の緩やかな流れの中にある力強い意志のようなものを感じた事が印象に残っています。
このブル9もその演奏会の時と 全く同じイメージを持ちました。