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カール・シューリヒト ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 東芝EMI EAC-55018 1961/11/20〜22 |
このレコードを初めて聞いたのが20歳で その時は「あっさりとした淡白な演奏」というくらいの印象しか残っていなかったのですが、今、この歳になって改めて聞いてみると、淡白どころか濃縮した雄弁な演奏であることに気づきました。
第1楽章冒頭からして 素晴らしいウィーン・フィルの音色が包み込む。
音色だけでなく、第2主題からの弦楽器群の語らいは言葉に尽くせない訴えが聞え、
154小節〜 277小節〜 505小節〜の木管の息づかいは、まるで命があるようです。
493小節〜の「fff」やや弱いようだか、これでいいのかも知れない。
素朴で温かく胸に染み入るような これが本当のブルックナーなのか?
第3楽章でも状況は同じで17小節〜の金管群はサラッとしている代わりに、その後の歌謡的主題などに
ブルックナーが宿っている。
150小節以降のこの曲の核心部こそがシューリヒトの真髄ではないだろうか。
常々遅めのテンポで情感たっぷりの演奏に疑問を持っていた私にこのレコードは一つの解答を出してくれている。
シューリヒトは早めのテンポで 情景と安息を見事に描きだしてくれた。
「枯淡」という言葉がふさわしい演奏で、 間違いなく この曲のベスト3に入る超名演です。
お勧めサイト・・・小林さんの「Schuricht
Homepage」
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DISQUES REFRAIN DR-930055 1963/3/8 ライブ |
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LYS LYS094 1943年 録音 |