複線自動循環式
1950年台、ヨーロッパでは長大化する旅客索道に対応するために
自動循環式の索道が開発されました。
それまで主流だった交走式の索道ですと線路が長ければ長いほど輸送
能力が低下し、時間当たりに運べる旅客数が制限されてきます。
そこで、貨物索道ではすでに実績のあった複線自動循環式を旅客用に
改良し、より多くの旅客を目的地まで運べるようにしたのです
複線自動循環式は単線自動循環式と同様に、2地点間にエンドレスに配置
されたえい索を動かすことにより、搬器を循環させています。
搬器には自動式の握索装置が取付けられており、停留場内に入ってきた
搬器はえい索を放索し手動あるいは自動でゆっくりと回送され、乗客の
乗降後再びえい索を握索して出発していきます。
ただ、単線自動循環式と異なる点は、支索を持つことです。
つまり、搬器は線路中では支索上を停留場内では場内レール上を走行する
ことになります。
大量輸送が期待された複線自動循環式ですが、交走式の高速化及び大型化、
また単線自動循環式の発達もあり、線路条件によってはそれらの方式に
代替えされ実際にはそれほど多く建設されませんでした。
現在日本では、2線(1支索1えい索)自動循環式の谷川岳ロープウェイと
御在所ロープウェイが、また3線(1支索2えい索)自動循環式として
箱根ロープウェイをはじめとする4線の索道が稼動しているのみです。
しかし少数の乗客が観賞を目的として利用するのであれば最良であろうこの方式は、
海外では見直されつつあるのか最近では3−Sシステム(2支索1えい索)
等、新しいシステムも開発されています。
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