シンガポールのケーブルカー

1998.04.26 Reported & Photo by T.Watanabe

セントーサ島ケーブルカー

セントーサケーブルカーはシンガポールを訪れた人なら必ずと言ってもいいほど乗車する有名なケーブルカーです。
1974年にフォンロール社によって架けられ1994年に一部リニューアルしました。
このケーブルカーの特徴はなんと言っても地上(水面)からゴンドラまでの高さにあります。
ワールドセンタービル シンガポールで2番目に高いMt.Faber(95m)と有名な観光地であるセントーサ島までの間を結んでいる中間には駅があり、それこそ町中の高層ビルと何ら変わらないその(ワールドセンタービル)15階にゴンドラは発着するのです。
当然駅の前後は下から60mを越える位置を通過することになり、高所恐怖症の人には耐えられないことでしょう。

コンクリート製支柱 さて、山からゴンドラに乗車すると緑豊かな所をしばらく通過した後、コンクリート製の巨大な支柱を通過し遙か下に幹線道路を横切りビルに吸い込まれます。そして次に出発したとき、今度は海上に出ることになります。
右手に見えるのは世界で最も入港の激しいコンテナヤードで大型のコンテナ船がひっきりなしに海上を行き来しているのがよく見えます。
海上を通過するゴンドラ 10分位でしょうか、眼下にモノレールとか公園が見えてきたら終点のセントーサ島です。 有名なマーライオンも左手奥によく見えます。1区間目が700m、2区間目が1000mの 複線自動循環式普通索道です。

さて、1994年に行われたリニューアルについて少し説明しましょう。建設後20年経って老朽化したケーブルカーは様々な設備を最新のものとしました。また、その工事も画期的なものでした。 何故ならその工事はわずか25日で行われたのですから。
まず、分かり易いところで搬器ですがCWA製の6人乗り搬器に替えました。 これはシンガポールのイメージに合わせ緑、薄紫、青、そして黄色とし、構造としては暑い土地柄を考慮して2段屋根構造とし新鮮な空気を常に取り入れられるようにしてあります。 窓は太陽光線をカットするようになっており、部分的に開閉できます。この搬器は81台装備され、 1時間当たり1400人を運べるのです。(昔は720人でした)
支索は14日で架け替えられました。 セントーサ島側のシステムで重錘重量は38トンから53トンへコンクリートによって増やされ、 それに伴う誘導滑車の変更は滑車を斜めに配置することでより大きな滑車とすることで解消しました。
それらの変更により線路中の垂下量を変えることなく輸送力を増強できたのです。
押送装置 他にもセントーサ島側にある半自動車庫線の導入、予備原動の導入、タイヤ押送の導入、 光ファイバー及び電話線の追加などがこのリニューアルによって変更又は新たに導入されたのです。

どうですか?まだ乗ったことのない方は是非この近未来的なケーブルカーに乗りに行ってみて下さい。
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