Marvin Gaye

『SAVE THE CHILDREN』

I just want to ask a question
Who really cares?
To save a world in despair
Who really cares?
There`ll come a time,
when the world won`t be singin`
Flowers won`t grow, bells won`t be ringin`
Who really cares?
Who`s willing to try to save a world
that`s destined to die
When I look at the world it fills me whis sorrow
Little children today are really gonna suffer tomorrow
Oh what a shame, such a bad way to live
All who is to blame, we can`t stop livin`
Live,live for life

ヒッツヴィルが盛り上がり出した1960年から、モータウンでは毎年恒例となるクリスマス・パーティーを開くようになった。
あらゆる者が参加したパーティーの賑やかなスタジオの片隅で、一人ピアノの前に座り、優しいメロディーを奏でる男がいた。グエンによると、「彼はモータウンに来たがっている」らしい。B・Gが始めて聞いた彼の声は、純粋で、とろけるようで、ソウルフルで、誠実さにあふれていたという。マーヴィン・ゲイとモータウンの出会いである。


マーヴィン・ゲイの繊細な部分は、様々なところで語られているが、1961年にモータウンが買収した「グレイストーン・ボールルーム」で行われていた特別ショウ「スター・バトル」での出来事は、想像するだけで胸が痛くなる。「スター・バトル」はアーティストを対決させる意味で交互にショウをする。より観客を沸せたアーティストが勝者となる。
その夜は、マーヴィン・ゲイとリトル・スティーヴィーの対決だった。マーヴィンが多くのヒットを持っていたのに対し、スティーヴィーには「フィンガーティップス」1曲しかヒットがなかった。しかし彼らは、共に強力なライヴァル同志だった。スティーヴィーがハーモニカを吹きまくり観客を熱狂させれば、マーヴィンはその日の為に、狂ったように練習したメロディカで観客全員を爆発させる。素晴らしい対決だった・・・途中までは・・・。

第2ラウンド、マーヴィンはできること全てを出し切ろうとステージに上がる。ところが、客席から歓声に混じってブーイングが巻き起こってしまう。『マーヴィン、そんな小さな目の見えない子供相手に本気になって、恥を知れ!』
苦痛が隠し切れない微笑みを浮かべながらも、マーヴィンは次の曲を歌おうとするが、B・Gはステージに飛び出ていってマイクを取り上げ、マーヴィンをその場から解放した。
B・Gは観客にショウの終りを告げ、ステージを降りたマーヴィンを追い掛ける。そして、楽屋で頭を抱え込み座り込んでいる彼を見つけた。隣に座りながらも、互いに無言のまま時間が過ぎ、B・Gは、自分の最悪の過ちを思う。
競走とは、時として悪い面がある。特に組み合わせを間違えた戦いをさせてはいけないのだ。

これが、「グレイストーン・ボールルーム」での最後の「スター・バトル」となった。


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