M4系列で唯一の鋳造車体タイプで基本コンポーネントはコンチネンタルR975エンジンを搭載したM4と同一である。当初生産されたタイプの大部分が英軍に供与された。エルアラメインの救世主となったシャーマンの主力はこの形式である。また、チュニジアに上陸した米軍第1機甲師団などの主力もこのタイプであった。
もっとも初期の生産タイプでは車体銃の装備、直視バイザーつきの操縦席張り出し、ロータリー式主砲照準器などの特徴があり、後の生産型とはだいぶ相違点がある。なお、このような特徴を持った極初期型はリマ・ロコモーティブで製造された166輌に当てはまり、ほぼ全数が訓練のみに使用されたと思われる。
車体銃の廃止、ペリスコープ式照準器が導入された。1942〜1943年にかけて活躍したのがこのタイプである。極一部にリベット結合の車体下部を持つものが確認されるが、M3中戦車と同時期に平行生産していたプレスド・スチール社製の車両であると推測される。M4A1を生産した会社でM3も製作していたのは同社しかないことから、まず確実だと思われる。
この、いわゆる初期型においては各部コンポーネンツが順次変更されている。1ピースディファレンシャルハウジング、
直視バイザーが廃止されペリスコープが操縦席張り出しに装備され、主砲防盾 が幅の広いM34A1連動砲架に変更された。なお、初期〜前期にかけての各コンポーネントの変更は順次実施されており各部の特徴が入り混じっているものが多いが、バイザーが廃止されていれば前期型と呼称して問題ないだろう。