増加装甲でボリュームアップした独特のプロポーションが面白いせいか、色々とキット化されてきた。絶版となったバーリンデンのレジン製改造キット(砲塔、車体、ディファレンシャルハウジング)、タミヤ製インジェクションキット(タミヤの今に続くMM再興のはしり)、オードナンス製改造キット(砲塔、車体、ディファレンシャルなど、未所有のため詳細不明)の3種類が存在する。価格からすればタミヤのものがベストであるが、最近は入手困難ではないだろうか? 発売当時「限定発売」と銘打たれていたのは有名な話で、これを発売した当時はMM日照りがまだ続いていたので、観測気球の役割を持たせたということだろう。バーリンデンの改造キットについては、タミヤ発売と同時に絶版となり駆逐された形となったが、個人的には大変気に入っていたので、急遽もう1個ゲットしてしまった(苦笑)。 オードナンスの改造キットは未所有のため詳しく触れられないのが残念だが、通例から考えれば大変よく出来たキットになっているのではないだろうか?
ここでは、所有しているタミヤ、バーリンデンについて触れることにする。
1987年末に発売された。この年は今から考えると「AFVキットの復活」が始まった年であると言えるので、鮮明に覚えている事柄が多い。年初にアキュリットアーマーからクロムウエル戦車の発売があり、夏ごろにはモデルカステン初のプラ製連結キャタピラ・パンター用が発売され、それを追うようにしてグンゼの超絶的ハイテックキット、パンターG型が発売された。そんな盛り上がりの中で、タミヤがいよいよ復活を宣言したとも言えるのが、このキットとともに発売された九七式改中戦車、T34/85である。旧キットに新規パーツを追加した形のお手軽キットではあるが、「これが欲しかった!」というモデラーのニーズに合致したためか、かなりよく売れたようである。この反応のよさのおかげか、以後フラックザウリア、ティーがーなどの素晴らしいキットを連発し、今に続くMM復興となったのである。いやいや、余談が長くなってしまった・・・。
(AFV日照り生き残りとしては、あの年を絶対に忘れることは出来ないので)
そういう記念碑的キットであるが、正直に言えば出来はあまり芳しくない・・・。欠点としては砲塔天井前半の傾斜が違うこと、砲塔全体が小さいこと(ことに平面形で著しい)、増加装甲にモールドされた溶接跡が不自然、ディファレンシャルハウジングが通常型と同じなどの点がある。つまり、キットのみで作ろうとするといかんせん大掛かりな修正点が多すぎるのである。嬉しさのあまり発売当時に3つも買ったが、上のような欠点に気づいて呆然としたのは言うまでもないことである(笑)
今はオードナンスの改造パーツがあるので、このあたりは金さえかければクリア出来るが、それのなかった当時どのように修正したかを述べておこう。
以上のような修正を加えれば、あとはキットをストレートに作っても問題がない。ただ、ロードホイールが穴開きタイプになっている車両が多いようなので、タミヤM4から流用してやるのもいいかもしれない。
砲塔形状、溶接跡の再現、専用ディファレンシャルのパーツ化など、タミヤで問題になった部分が全てクリアーされているので個人的には大変に気に入っている。タミヤのキット発売と同時(というよりアナウンスのあった時点で)に絶版になったのが実に惜しまれる・・・。しかも、このキットは全体に装甲の荒れや鋳造のテクスチャー表現がなされており、そのあたりも高評価の理由なのだが。主要パーツが全て入っているので、これにタミヤのM4A3の車体下部を組み合わせれば素晴らしい出来のM4A3E2が手に入り、全く手間いらずというのが大変にありがたい。他にもエッチングパーツが付属しているので、特に別売りの物を購入する必要もない。これは発売当時の時代背景のせいで、バーリンデン以外にはほとんどアフターマーケットパーツが存在しなかったので「全てまかなえるようにする」必要があったせいだろう。再販の可能性は全くないし、12年も前のキットだから現在での入手はほぼ絶望的だろう。とはいえ、オードナンスから同様のパーツが発売されているので、今はそれを使えばよいので問題もないと考える。
(未所有のため詳しく触れられないのが残念だが・・・)
タミヤのM4A3がダックビルつきのキャタピラになっているのは、このタイプを視野に入れて設計されたためであろうと推測されるが、実はあれは「余計なお世話」だったのが大変悲しい。このM4A3E2は全車T48履帯+ダックビルで完成したはずで、タミヤのようなT54E1履帯のは存在しない可能性が高い。まぁ、実戦ではなにがあるか分からないし、履帯を交換してしまったことにすればタミヤのと同じタイプであっても問題はないかもしれないが・・・。この部分を修正するにはアキュリットのトラックパックを使えばいいのだが、あれもそんなに出来がいいワケではないので、多少問題が残る。手間をおしまないのであれば、タミヤのM4付属のT48履帯にトラックパックのダックビルを流用・接着するという方法がある。この手法を使った作例が最近のSTEEL
MASTERSに掲載されているので参考にされたい。RHPSがダックビルのインジェクションパーツを発売予定にしている(同様にT48履帯も)ので、それを待つのもいいだろうが、結局手間は同じであるのが頭の痛い点であろう。