操縦席張り出しに直視バイザーがついた、この初期のタイプはバーリンデンプロダクツから改造キットが発売されている。キットには車体上部、車体下部、砲塔が同梱されており、足回りを流用するだけでこのタイプを組むことが出来る。キットの出来自体はいかにもバーリンデンの製品らしく、変形・気泡・欠けなどはほぼ皆無で、大変素晴らしいと思う。砲塔自体は初期のM34連動砲架つきの物となっているが、ガンリングマウント(車長キューポラ)はタミヤのM4A3のコピーで、このタイプでは一般的ではないモノになっているので、そこだけは改善してやろう。タミヤのM4付属の部品に交換してやるのが一番手っ取り早い。
足回りにはドラゴンの前期型VVSSを使用してやり、キャタピラも同社のCUFFタイプを使うのがお手軽だろう。出来もそう悪くないし。VVSSについては、リツール版は「下駄履きリターンローラー」になっているので(アーマーモデリング連載「シャーマン道」参照、確認しました)、M4A1に付属していたタイプを使ってやるほうがよいだろう。あるいはアーマードブリゲイドモデルスの超絶的に出来がいいキットを使うのも手だが、入手が大変に困難である。
車体にはアップリケアーマーがついた状態でモールドされており、これを生かすとすれば貼り出しの前にもアップリケアーマーを付加しなければならないが、そうするとせっかくの直視バイザーが見えなくなり、大変もったいない。車体側のを削り取ってしまえばいいのだが、車体全体に装甲板の荒れを再現したモールドがなされているので、そのあたりの復元が問題になるだろう。そこをクリア出来るのならば、車体側面の方を削ってしまったほうがいいのではないかと思う。せっかくの初期型なのだし・・・。
キットにはエッチングパーツも付属しており、シャーマン系列定番ディティールアップのライトガードのエッチング再現も出来るのはありがたい。このエッチングパーツはバーリンデン初期(というよりはエッチングパーツとしてもかなり歴史が古い)の物なので、パーツ化されていないものも多く、気に入らないならABERのものなどを使用してやろう。