インジェクションキットにしてもレジンキットにしても、シャーマン関連のパーツは大量に発売されており、その全てを把握するのは困難です。ここでは、現在入手が可能なモノを主として、それ以外でも入手は困難であっても取り上げる価値があると判断したものは列挙することにします。
M4(前期型)とM4A3(後期型)の2種類が発売されている。M4の方は前期型を再現しており、比較的最近のキットだけのことはあり、その彫刻表現などは確かである。ただ、難点としてはキット化されたタイプでは一般的ではないサスペンションが付属していることがあげられる。これはM4A3と部品を共通化し、コストダウンを図るためであるからしょうがない部分ではある。
M4A3(後期型)はすでに発売以来15年が経つが、いまだに一級品である。後期型車体を作る場合は、この車体をベースとするのがベストであろう。
車体形式 | 車体上部 | 車体下部 |
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砲塔 | キャタピラ | 特記事項 |
M4 75mm (前期型) |
溶接車体 (車体前面に張り出しあり) |
M4標準型 | *後期型VVSS+穴開きロードホイール | 75mm前期型砲塔 (M34A1連動砲架) |
T48 (ラバーシェブロン) |
3ピースディファレンシャル 選択可能 |
M4A3 75mm (後期型) |
溶接車体 (湿式弾庫となった後期型) |
M4A3標準型 | 後期型VVSS+プレスロードホイール | 75mm後期型砲塔 (M34A1連動砲架) |
T54E1 (スチールシェブロン) |
キャタピラはダックビル エンドコネクターつき |
(*前期型というのは間違いでした。どうも願望が入っちゃってたみたいです。指摘してくださってありがとうございます)
タミヤからは他にバリエーションとしてM4A3E2が発売されている。
M4A1(76mm)が最初に出てから20年経ったが、いまだに一級品である。後期型鋳造車体という珍しいタイプを模型化していることも価値がある。その後M4A3E2(といいながら内容は単なるM4A3後期型76mm砲タイプ)を発売する時に新規金型でM4A3後期型の上部車体を製作した。タミヤのモノより後に出た割にはあまり進歩のない出来なのが、少し悲しいが・・・。
バリエーションとしてシャーマン・カリオペロケットランチャーも発売されており、これを製品化するにあたって75mm後期型砲塔を部品化した(これもタミヤのより優れているとは言えない)。他にもM36B2戦車駆逐車も製品化しており、シャーマン系列の製品ラインはかなり充実しており、なかなか通なアイテム選択をしているように思う。これら一連のイタレリのキットの一番の問題は穴開き型のロードホイールとT51フラットラバーキャタピラをパーツ化していることで、キットになった形式ではあまり一般的ではない。実車のシャーマンでも部品のコンパチビリティは高いので「間違っている」とは言えないが、やはり一般的な構成にしてほしかったように思う。
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車体下部 | サスペンション | 砲塔 | キャタピラ | 特記事項 |
M4A1 76mm (後期型) |
鋳造車体 (湿式弾庫となった後期型) |
M4A1標準型 | 後期型VVSS+穴開きロードホイール | 76mm前期型砲塔 | T51 (フラットラバー) |
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M4A3 76mm (後期型) |
溶接車体 (湿式弾庫となった後期型) |
M4A3後期型 (後期型デフレクター) |
後期型VVSS+穴開きロードホイール | 76mm前期型砲塔 | T51 (フラットラバー) |
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M4A3 75mm (後期型) |
溶接車体 (湿式弾庫となった後期型) |
M4A3後期型 (後期型デフレクター) |
後期型VVSS+穴開きロードホイール | 75mm後期型砲塔 (M34A1連動砲架) |
T51 (フラットラバー) |
キットはカリオペ ロケットランチャー付属 |
ドラゴンもバリエーションは豊富である。他のメーカーがキット化していないものばかりで価値は高いが、どれをとっても今一つ食い足りないというか、欠点が目立つ。最初にシャーマンMkVcファイヤフライを発売したが、シャーシー後部の長すぎ、砲塔が少し小型、車体前面張り出しの形状不満などストレートで組みあげると「なにか違う」印象になってしまうのは難点。このM4A4車体を利用して前期型と近衛装甲師団で使用された5.25インチロケットランチャーつきのタイプが発売されている。この前期型に関しては、防盾部分がM34とM34A1連動砲架が選択可能になっているのは価値がある。タミヤの砲塔などと組み合わせてやれば面白いだろう(実際にはよく合わないので修正が不可欠であるが)
ファイヤフライについては、他にハイブリッド車体を使用したシャーマンMkIcも発売されており、インジェクションでは唯一のハイブリッドタイプである。車体形状に不満は少ないが、鋳造部分の表現がおおげさで好みの別れるところであろう。
鋳造車体のM4A1は大変優れたキットで、ドラゴンのシャーマンシリーズのベストであろう。砲塔は以前からのものと共通なので多少の難点はあるが、車体についてはほぼ文句なしの出来である。このタイプには唯一の前期型VVSSが部品化されており、シャーマンシリーズのバリエーションを作る上では欠かせないパーツである。出来れば、このサスペンションだけでも別売りして欲しいくらいである。
他にもM4A3E8が戦中型と戦後型(キャタピラが相違する)、105mm砲搭載型(海兵隊で使用された火炎放射器を同軸に装備したタイプ)がキット化されている。この一連のキットはHVSSとキャタピラの出来が素晴らしく、大戦末期のシャーマンを作る上では欠かせないモノである。難点としては車体がイタレリと共通なため多少の不満があるのと、砲塔形状がおかしいところがあげられる。M4A3E8を作るのであれば、車体はタミヤ、砲塔はイタレリを利用し、足回りのみドラゴンのを組み合わせるのが望ましいだろう。
(HVSSについては最近発売されたアカデミーのM51がベストの出来である)
車体形式 | 車体上部 | 車体下部 | サスペンション | 砲塔 | キャタピラ | 特記事項 |
シャーマンMkVc | 溶接車体 (M4A4前期型) |
M4A4標準型 | 後期型VVSS+穴開きロードホイル or プレスロードホイール (サスペンションはイタレリと同じ部品) |
17ポンド砲タイプ (基本は75mm後期型) |
CUFF TYPE (英軍仕様) |
全体のイメージが変 |
M4A4(前期型) |
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75mm前期型砲塔 (M34、M34A1選択可能) |
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シャーマンMkIcハイブリッド |
ハイブリッド車体 | M4A1標準型 |
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17ポンド砲タイプ (基本は75mm後期型) |
T48 (ラバーシェブロン) CUFF TYPEも付属 |
インジェクションでは 唯一のハイブリッド車体 |
M4A1 75mm (前期型) |
鋳造車体 (前期型) |
M4A1標準型 | 前期型VVSS+穴開きロードホイル or プレスロードホイール |
75mm前期型砲塔 (M34、M34A1選択可能) |
48 (ラバーシェブロン) CUFF TYPEも付属 |
ドラゴンのシャーマンシリーズのベストキット |
M4A3E8 (戦後型) |
溶接車体 (湿式弾庫となった後期型) |
M4A3後期型 | HVSS(水平渦巻スプリングサスペンション) | 76mm後期型砲塔 | T81 (ダブルピン) |
イタレリの車体にドラゴン製砲塔 とサスペンション |
M4A3E8 (戦中型) |
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T66 (シングルピン) |
戦後型とはキャタピラのみ相違 |
M4A3 105mm (火炎放射器同軸) |
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105mm砲塔 (火炎放射器装備) |
T81 (ダブルピン) |
珍しいタイプをキット化 |
他にハセガワブランドでM4A3E8を利用した自衛隊マーキング、ヘッジロー付属、サンドバック付属の3種類のバリエーションが発売されていた。イスラエル軍にて使用されてM50、M51のキットも発売されているが、未所有のため内容は不明。
簡易インジェクションの改造キットではあるが、その出来は素晴らしい。特に鋳造表現、溶接跡、装甲板表面の荒れなどの表現は節度感を持って再現されており、大変好感が持てる。キットはM4/M4A3前期型改造キット(車体上部のみ)、M4A4改造キット(車体上下)、HVSSキット(サスペンションとキャタピラ)、M50(フルキット)が発売されている。
どのキットも車体前面に張り出しがあるタイプを再現していて、大変それらしい雰囲気に仕上がり、前期型車体を組むならばベストの選択となる。(タミヤのM4前期型より雰囲気はある) 特にM4A4改造キットについてはドラゴンのキットがあまり芳しい出来ではないので、そのタイプを作るならばこれ以外の選択肢はないと言っても過言ではない。これにタミヤの砲塔を組み合わせて標準型を作るのもいいし、チェサピークのファイヤフライ用砲塔を組み合わせてファイヤフライを作っても、どちらも素晴らしい完成度を示すだろう。
難点としては簡易インジェクションであるがゆえの精度に欠けることで、キットを信じて組み上げると各部の直角・平行が出ないことがあるので注意が必要である。
キット内容 | 車体上部 | 車体下部 | サスペンション | 砲塔 | キャタピラ | 特記事項 |
M4/M4A3改造キット (前期型) |
溶接車体 (M4/M4A3選択可能) |
(イタレリ or タミヤ使用) |
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前期型車体としてベストに近い出来 |
M4A4(前期型)改造キット | 溶接車体 (前期型) |
M4A4標準型 |
(ドラゴンの前期型VVSSがベスト) |
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M4A4を作るならこれがベスト |
HVSS改造キット |
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HVSS |
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T81 (ダブルピン) |
今となっては価値がない |
M50(Iシャーマン) | 溶接車体 | M4A4標準型 | HVSS | T50砲塔 |
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ドラゴンのM50より雰囲気は いいかもしれない・・・ |
ここは大戦中のタイプは出していないが、最近発売されたM51スーパーシャーマンがバリエーションを作る上で価値があるので取り上げた。M51であるからには当然HVSSが付属しているが、これが絶品である。M4A3E8などのHVSS装着タイプを作るなら、このアカデミーのシャーシーを流用するのがベストである。ドラゴンでもHVSSが手に入るが、それに比べてマウント部分の正確さが格段に向上している(というより、実車通りになっている)。ただ、問題はキャタピラの出来がよろしくないことで、ここはドラゴンのキットの方が数段上であるので、完璧なHVSSをやろうとするならドラゴンの別売りキャタピラは必須である。
車体上部もM4A1後期型が基本なので、こいつのエンジンデッキを変更して先祖帰りさせてやるのも面白いだろう。
キット内容 | 車体上部 | 車体下部 | サスペンション | 砲塔 | キャタピラ | 特記事項 |
M51 スーパーシャーマン | M51 (基本はM4A1後期型) |
M51 (サスペンション取り付け部はHVSS専用) |
HVSS | M51 | T81 (ダブルピン) |
HVSSと車体下部だけでも価値がある |
これも今となっては全く価値がないが、発売当時(1974年頃)としてはかなりナイスな型式選択であったように思う。その後タミヤのシャーマンが出るまでは、1/35スケールとしては唯一の75mm砲塔であり、ドラゴンが出るまでは唯一の前期型鋳造車体であった。ドラゴンのM4A1がある現在ではなんらの価値もみいだせないが、これを徹底的にいじって今のレベルに持っていくのも倒錯していて面白いかもしれない。その苦労を考えると自分では絶対にやりたくないが(笑)
モーターライズであるがゆえのディファレンシャルハウジングの形状の悪さ、時代が古いゆえの省略、設計の甘さゆえの間違いなど欠点をあげていけばきりがないが、それでも一時期は貴重かつ有用なキットではあった。最近も再販されているので模型屋で見かける事もあるが、とりたてて購入する理由もないのではなかろうか?
キット内容 | 車体上部 | 車体下部 | サスペンション | 砲塔 | キャタピラ | 特記事項 |
M4A1 75mm 前期型 |
鋳造車体 (前期型) |
M4A1標準型 | 後期型VVSS+穴開きロードホイール | 75mm前期型砲塔 (M34連動砲架) |
T48 | 今となっては骨董品 |
ここのキットは1/32なので簡単に触れるにとどめるが、M4初期型とM4A1初期型(カリオペ・ロケットランチャー付き)の2種類が発売されていた。さすがにモノグラムだけあって雰囲気の捉え方は秀逸であり、「なぜ1/35じゃないんだ?」と発売当時は思わされた出来の良さではあった。特に両型式とも初期型というあたりが、モデラー心(というかシャーマン好き)をくすぐる。54mmスケールのフィギュアと組み合わせてディオラマ仕立てにするなら、面白いモノが出来るのではないかと思う。
(「キットの部品構成」は1/35スケールでシャーマンの組む時に役に立たないので省略)
レジンキットは膨大な量が出ていますが、出来るだけ網羅するようにしました。なお、今では絶版になったり入手が困難になったものもありますが、それらについても唯一のキットであったり珍しいタイプであったりした場合は列挙しています。ここに取り上げられているからといって、必ずしも入手出来るわけではないのでご注意下さい。
シャーマン関係にはかなり力を入れており、車体改造キットのみならず、砲塔改造キット、車体内部再現キット、エンジンルーム再現キット、アクセサリーなど多種多様の商品展開をしている。レジンキット黎明期から発売していたため、後にインジェクションで出てしまったり絶版になってしまったものもかなり多い。今でも入手出来るものは少なくなったが、それでもかなりの充実度を誇っている。実際には絶版になった物の中には「唯一」といえるようなものもあったので、出来れば再販してもらいたいと思う。
バーリンデンの改造キットの難点としては、収縮が激しく全体に小ぶりになってしまっている点があげられる。車体・砲塔の組み合わせではバーリンデンの車体を使った場合は、必ずバーリンデンの砲塔を使用する必要があり、他社の砲塔は絶対にハマらないので要注意。しかも、その砲塔キットもいつも同じ間違いをしているので、改造が必要になるあたりで問題の根は深いのだが・・・。
(初期型、前期型でありながら後期のガンリングマウントが付属している。間違いと言い切れないが、少なくとも一般的ではない)
キット名(内容) | 内容についての解説 |
M4A1初期型改造キット | 唯一の鋳造車体の初期型改造キット。車体下部・上部・砲塔のキットで、タミヤのM3からボギーを流用するだけでよかった。今では絶版となり入手は絶望的。再販を希望したい。 |
M4A1前期型改造キット | ドラゴンがモデル化したのと同じタイプ。今でもよく見かけるのがちょっと不思議である。アップリケアーマーが再現されているところはいいが、特に必要もないキットであろう。 |
M4A3E2改造キット | タミヤのM4A3E2発売と同時に絶版になったが、出来はこちらの方が断然よかった。タミヤでは省略されていた装甲が厚くなったワンピースディファレンシャルハウジングもきちんと再現されていたし、砲塔形状なども素晴らしい。タミヤのキットをこのレベルに持ってくるのは結構苦労する。 |
シャーマンMkIc ファイヤフライ改造キット |
ハイブリッド車体のファイヤフライ用改造キット。車体上部と砲塔がキットされていた。かなりいい出来ではあるが、惜しくも絶版である。現在では他社から砲塔、車体とも発売されているので、そちらを使った方がいい。 (ドラゴンのインジェクションキットはあまり薦められない) |
ラム巡航戦車改造キット | カナダのラム巡航戦車を製作するためのキット。これもボギーのみタミヤのM3から流用すれば製作可能であったが、今は絶版である。全体に「なにか違う」印象もあるので、探す必要もないだろう。 (Kit&Coの改造キットの方がずっと出来がよいし) |
ハイブリッド車体改造キット | ファイヤフライ改造キットのバラ売りのようなもの。ディティール感などは高いし、出来はいい。これも最近入手が困難だが、オードナンスやチェサピークのキットで代替出来るので問題はないだろう。 |
M4A2前期型改造キット | 唯一の角型溶接張り出しの前期型車体のキット。表面処理、ディティールもに絶品である。かなり珍しいタイプであるが、自由フランス軍のシャーマンを再現するなら、これに限る。最近はあまり見かけないが、ちょっと前まで在庫している店は多かったので探す価値はあるかもしれない。 |
M4A4初期型改造キット | これもM4A4の初期型をモデル化した唯一のもの。このキットは車体下部も付属しており、ドラゴンのM4A1からボギーを流用してやればよいだろう。 |
75mm初期型砲塔キット | M34連動砲架の前期型砲塔のキット。コマンダーズハッチのガンリングマウントが後期型となっているので、修正してやる必要がある。出来はそれなりにいいが、素晴らしいとも言えない。バーリンデンの車体を使った時は必須である。 |
75mm前期型砲塔キット | タミヤのM4が出た今となったはあまり価値がないが、これまたバーリンデンの車体を使う時は必須である。別にアップリケアーマーがついたタイプも発売されている。 |
76mm後期型砲塔キット | 装填手ハッチが小判型になり、マズルブレーキがついた後期型砲塔のキット。全体に収縮しているがゆえに、このタイプ独特の一回り大きく感じられる特徴が出ていないのが問題で、特に選ぶ必要もない。 |
105mm砲塔改造キット | 防盾部分と増設されたベンチレーター、その他小部品が付属する改造キット。タミヤのM4A3の砲塔にこれら部品を組み合わて簡単に105mm砲塔が完成する。他社のキットが砲塔丸ごとであるのに比べて、多少手間はかかるが価格面でのメリットはあるし、出来も悪くはない。防盾部分は仰角が付いたものと水平状態の2つが付属している。 |
他にアップデートキットと称する小部品キット、エッチングパーツ、ディープウォーターフォーディングキット(上陸作戦などに使用する吸排気管延長パーツ)、エンジンルームキット(R975とフォードGAA)、前期型車体用インテリアキットなどが発売されている。
ここもシャーマンのバリエーション展開にはなくてはならない各種改造キットを発売している。最近ちょっと見かけなくなって来つつあるが、在庫を見たら即ゲットしておいた方がよいだろう。品質は極めて安定しており気泡・変形はほとんど見られない。ここの改造キットが手に入れば製作は極めて楽に進める事ができるだろう。
キット名(内容) | 内容についての解説 |
M4前期型改造キット | 車体前面張り出しにペリスコープがついたタイプ。今となってはタミヤのM4があるので必須のキットではない(絶版になった模様)が、個人的には雰囲気はこちらの方が良いと思う。 |
M4ハイブリッド改造キット | 車体前半・鋳造/後半・溶接のハイブリッド車体の改造キット。これもドラゴンの車体がインジェクションで発売されている現在では、それほどの価値はないかもしれないが、雰囲気やディティール感では圧倒的に勝っていると思う。同様なキットがチェサピークデザインからも発売されているが、甲乙つけがたい。 |
M4後期型改造キット | 車体前面が一枚板になった後期型を再現している。このタイプは105mm砲塔と組み合わせて使うこと。出来も大変いいので安心して購入出来る。 |
M4A1前期型改造キット | これもドラゴンのインジェクションキットがある今では、あまり意味がない。特にドラゴンのキットがシリーズの中で最も優れているとなれば、よけいにそう感じられる。ただ、実車のモッサリした感じはこちらの方がよく捉えているような気もしないでもないが・・・。 |
M4A2前期型改造キット | M4A2の前期型の標準的なタイプをモデル化している。これも出来は素晴らしく、米軍以外で使用されたシャーマンの代表的なタイプなので、そのあたりを模型で再現したいならば、ぜひ押さえておくべきキットであろう。 |
M4A2後期型改造キット | 車体前面が一枚板になった後期のタイプ。M4A2のこの形式としては唯一のキット。75mm砲塔後期型や76mm砲塔と組み合わせることが出来る。 |
M4A3前期型改造キット | MPからインジェクションで改造パーツ(コンバーチブルで)が出ているが、こちらの方が製作は楽かもしれない。これも見かけたら押さえておくべきキットであろう。 |
M4後期型 105mm改造キット | 車体改造キットと砲塔改造キットが一緒になったもの。これを使えば簡単に105mm砲タイプが作れる。 |
75mm 初期型砲塔キット | M34連動砲架の初期型砲塔のキット。ガンリングマウントはタミヤのM4から流用する必要がある。出来はいいが、表面のテクスチャーの再現がなんとも荒っぽく、好みの別れるところであろうか? |
75mm 前期型砲塔キット | タミヤのM4がある今となってはほとんど価値がない(多分絶版になっているのでは?) 別にアップリケアーマー付きのタイプも発売されていた。 |
76mm 前期型砲塔キット | イタレリのM4A1と同じタイプの砲塔。キットよりは多少出来はいいし、シンチュウ挽き物の砲身が付属するのはメリットか? |
76mm 後期型砲塔キット | 装填手ハッチが小判型になった後期のタイプをモデル化。出来ればより後期の形状が違うタイプをモデル化してほしかったところである。 |
105mm砲塔 | 105mm砲塔のキット。コマンダーズハッチ関係はタミヤのキットから流用する必要がある。これもシンチュウ挽き物の砲身が付属している。 |
M4A3E2砲塔キット | タミヤのキットの最大の問題である砲塔形状の不満を解消するためのキット。これと組み合わせれば、タミヤのジャンボも見違えるようによくなるハズ。ついでにディファレンシャルカバーも交換してやれば、もっとよい。 |
オードナンスからは他に、各種ディファレンシャルカバー(3ピース、ダルノーズ、ジャンボ用)、各種増加装甲、ヘッジロー、エッチングパーツが発売されている。どれも低価格なので安心して使えるのはありがたい。
ここもシャーマン関係の改造キットを各種発売していたが、今ではほとんどが入手難である。珍しいタイプのモノもあるので、もし見つけたら購入しても損はないかもしれないので、紹介だけはしておくとことにする。ここの一連のキットの問題点としては、レジンが肉薄で変形が多いことがあげられる。補強をいれておかないと、完成後でも変形してしまうおそれもあるので、もし作る時はそのあたりに注意が必要だろう。
キット名(内容) | 内容についての解説 |
M4 初期型改造キット | 直視バイザーのついて初期型車体用改造キット。特に優れたキットというわけでもないので探しまわる必要はない。どちらかというとキリンの同様のキットの方が砲塔も同梱されているし、出来もいいようなので、こちらをお薦めしておく。 (これも同様に入手難なのだが・・・) |
M4A2前期型改造キット | オードナンスで同様のタイプが出ているので、そちらをお薦めするが、このキットには唯一のGM製ツインディーゼルが再現されているので、探してみる価値はあるかもしれない。 |
M4A4前期型改造キット | 特にこれといってメリットもない・・・。MPの車体改造キットの方がお薦め出来る。 |
75mm初期型砲塔セット | M34連動砲架の初期型砲塔の改造キット。これといってメリットもないし、出来もそれほどよろしくないので、探しまわるのは今となっては労力の無駄であろう。 |
ファイヤフライ砲塔セット | チェサピークの改造キットの方が数段上の出来だが、このキットは世界で唯一の内部再現がされたモノであるところに幾分か価値はあるだろう。といっても、完全再現には程遠いのだが・・・ |
ADV/Azimutからは、車体用サンドバックセットも出ていたが、これまた特に優れた出来ではなかったようだ。(未所有のため詳しくは不明)
今は多少入荷が滞っているようで入手困難なモノがあるが、ここの製品はその品質が抜群でシャーマンを改造するなら欠かせないモノである。模型屋で見つけたらなにをさておいても入手しておく必要があるだろう。
キット名(内容) | 内容についての解説 |
ファイヤフライ砲塔キット | 抜群の出来のよさ。気泡・変形とも皆無で、その表現、再現性も完璧である。このキットにはファイヤフライを改造する上で必要なパーツは全て揃っているので、これさえ入手できればファイヤフライの製作は終わったようなものである。 |
M4 ハイブリッド車体 | これまた抜群の出来である。オードナンスのモノと甲乙つけがたいが、ディティールの表現や表面処理が異なるので、好きな方を選べばよろしい。 |
75mm初期型砲塔セット | これも抜群の出来である。ガンリンクマウントが正確に再現されている砲塔改造キットはこれだけなので、正確性を重視するならこれしかない。タミヤの砲塔と比較しても遜色無いばかりか、一部の表現はこちらの方が勝っているようにも思える。必買キット。 (アップリケアーマー付きのモノも発売されている) |
砲身セット | 75mm砲身と17ポンド砲身がそれぞれ発売されている。特に17ポンド砲身の表現は絶品であり、再現するならこれがベストな選択となろう。 |
今はほとんど見かけないが、M4初期型改造キットと車体用サンドバッグセットを出していた。M4初期型改造キットはこことADV/Azimutの2つしかなく、どちらも入手困難になっているのは残念なことである。キリンのキットには砲塔も付属しており、組む上では楽ではある。細部は結構ラフで各社キットからの部品の流用も必要になるので、「これさえあればOK」といかないのが残念である。
他にも様々なメーカーからいろんなパーツが発売されていたが、今ではほとんどが入手困難である。とりあえず列挙はしておくが、それほど素晴らしい出来のモノでもないので、探し回る必要もないだろう。
M4A1前期型車体と75mm前期型砲塔を出していたようだが、今では両方インジェクションが出ているのであまり意味がない。
ファイヤフライ改造キット、M36戦車駆逐車車体改造キットが出ていた。後者はこのスケールでは唯一のモノなので、もし見つけたら買っておいてもいいかもしれない。出来はそこそこによろしい。
M4A1前期型車体や砲塔改造キットが発売されていたようだ。全て未所有のため詳しくコメントは出来ないが、ここの製品は品質に問題があることが多いので、特に価値もないのではないかと思う。
ここの製品はアイテムが面白く、もし見つけたら購入しておいてもよいかもしれない。グリズリー戦車用車体(実質はM4A1前期型車体)、車体用サンドバック、砲塔用サンドバック(唯一の製品)などがあった。
大物レジンキットで有名なここも改造キットを出している。以前はフルキットだったものが、車体がインジェクションキットで発売されたため、改造部品のみを供給するようにもなった。ここの製品については別途詳しく取り上げる予定である。
日本のレジンキットメーカー。ここが発売していた76mm砲塔後期型は砲塔形状が違うタイプをモデル化した唯一のモノなので、もし見つけたら購入してもいいかもしれない。M4A3E8を再現する場合に、このタイプの砲塔を乗せるのが最も正確であると思う。
日本のレジンキャストメーカー。ここの製品はあくまで「個人がスクラッチをしたパーツを販売している」レベルなので、正直言えば金を出す価値はないと思う。かなり前の発売だが、いまだに模型屋に棚ざらしになっていることも多く、そのことでも評価のほどが知れる・・・。
今では全く市場で見かけなくなったが、各種エッチングパーツ、インジェクション製キャタピラ(リンク部分はメタル)を発売していた。キャタピラについてはシャーマン系列で使われたタイプをほぼ全て網羅しており、特にM3グラントで使用されたW201型(王の字パターン)などは、いまだに他メーカーが発売していない(実はアキュリットのトラックパックスシリーズで発売されてましたので、訂正いたします)ので、万一発見したら即購入するのが正しい道だろう。とはいうものの、かれこれ10年近く前のブツだから、まず入手は絶望的ではないだろうか? 最近話題にRHPSモデルでもいろいろフォローされるようなので、そちらの入手をお薦めしたい。
大型レジンキットで有名だが、ここも最近シャーマン用パーツに手を染めている。ドラゴン・ファイヤフライ用アップデートキット、タミヤM4用アップデートキットなどは英軍仕様に改造するには欠かせないモノではあろうが、ちょっと価格が高めなのが難点であろうか? 他にメタル製転輪、レジン製キャタピラ等も発売している。キャタピラの方はほぼ全てのタイプを網羅し、かつエンドコネクターエクステンション付きのモノも発売しているので、場合によっては使えるだろう。多少モールドが寝ぼけているのが難点ではあるが・・・。
最近あまり見かけなくなったが、ここからも改造キットが出ていた。105mm砲塔改造キットで、砲塔も同梱されていたので使いやすいパーツであったが、今となってはあまり価値がないだろう。出来自体はそう悪いものでもなかったが、オードナンスなり最近出たばかりのアーマードブリゲードモデルズのモノを使った方がいいと思う。
最近入荷したばかりで購入していないが、105mm砲塔の前期型と後期型(コマンダーズハッチ回りと12.7mm機銃マウントの違い?)が発売されている。ここのキットは砲塔内部も再現されているようで、なかなか面白いと思う。最新作だけあって出来もいいのではないだろうか?
M4後期型車体、M4後期型車体+105mm砲塔セット、前期型VVSSのキットもやっと国内に入荷した。中でもVVSSは特筆すべき出来のよさで「完璧!」というのはこの製品のためにあるような言葉であろう。まさに絶品である。シャーマンフリークスは必要数を必ず購入するように(笑)
ここも最近シャーマン改造パーツに参入した。現在発売されているのは「M4A1初期型用上部車体」「M4A6用上部車体」「M3型ボギー」の3種類で、結構嬉しいアイテムが揃っている。特に「M4A1初期型用車体」についてはバーリンデンの物が絶版になって以来だから、このタイプを作りたい人にとっては待ち望んでいたモノと言えるだろう。当然購入したが、気泡や変形などはほぼ絶無で、即使えるいいパーツであった。ドラゴン用ということだが、車体下部との合いもそこそこよくて「買い!」な製品であるのは間違いないところである。
「M4A6用上部車体」については購入していないが、出来はいいように思えた。しかし、実戦で使われてないこのタイプまで模型化されるとは思ってもみなかった・・・。ニーズがどれくらいあるかは分からないが、これが出たことによって、本当の意味で「シャーマン全バリエーション」が製作可能になったのは喜ばしいことではあろう。
「M3用ボギー」についても、タミヤのキットに付属しているのが悲しい出来(そりゃ25年も前のだもの)だったので、大変嬉しいパーツである。タミヤのキットでは不完全な再現しかされていなかった部分も当然直っているワケで、初期のシャーマンやM3系の車両を作るのに欠かせないパーツと言えよう。
最近、M3A1(鋳造車体のM3戦車)用車体上部改造キットが入荷した。購入していないので論評は出来ないが、このメーカーの通例から考えればそれなりによく出来た製品ではないかと予想される。かなりマイナーな車種であるが目先が変わることもあり、面白いパーツであると思う。
(喜屋ホビーでは8200円のプライスがついていた)
他にも予定として「M4A2初期型(バイザーつき?)用車体上部改造キット」があるが、発売時期などは未定である。
T49(3バークリート)とT51(フラットラバータイプ)のインジェクション製連結式キャタピラを発売した。他にもシャーマン用の各種キャタピラを発売するのだが、その予定を見てるとあまりのマニアックさにクラクラ来てしまう。海外ショップから購入したが、そこそこに出来がよかった。今後は可動式にリニューアルするそうであるが、そちらは未見のため論評は出来ない。
同形式のモノをAFVクラブがリリースする予定もあるし、モデルカステンも参入するらしく、今後はインジェクション製シャーマン用キャタピラの選択肢が劇的に増えることになり、楽しみではある。
レジンパーツとエッチングの組み合わせで素晴らしい製品をリリースしている、このメーカーからもシャーマン用のパーツが発売されている。「M4A2ディティールアップセット」と「同・エンジンデッキセット」の2種類である。「ディティールアップセット」はいつもながらの超絶的なエッチングパーツとレジンパーツが付属している。この製品については未購入のため詳しくは論評できないが「エンジンデッキセット」の方は、特徴的なエンジングリルをエッチングパーツで再現しており、内部が覗けるようになっているのが面白い製品である。タンクワークショップの「M4A2用エンジンルームセット」を組みこんでやるのもよいだろう。
国内ではオードナンスモデルが取り扱っているが、その全てのラインナップが輸入されているわけではなく、未入荷製品がいくつかある。シャーマン関係に使えるパーツとしては「M3用ボギー」「前期型VVSS」「M4A2用エンジンルームセット」がある。M3型ボギーはあまりよい出来ではないようなので未購入。どうも基本的にタミヤのM3のパーツを原型にしているようで、欠点がそのまま残っている。残り2つは海外ショップから購入したが、そこそこ使えそうな印象のパーツであった。VVSSは基本的にタミヤのパーツを改造したもののようで、キットに無加工で取りつけられるようになっている。M4A2用エンジンルームセットは通例のごとく、エンジン本体(これが超絶的な一体成形である!)と補器類、隔壁、燃料タンクなどが付属している。基本的にはタミヤのシャーシーに合うようになっているが、多少改造してやればイタレリの車体下部にも取り付け可能だろう。