すでに各種のキット紹介は終えましたから、今度は実戦編。それらのキットを使って各種型式のシャーマンをどう作るかを取り上げます。とりあえず「初期・前期・後期」型に分類しますが、これはあくまで便宜的な物で、実車の方では特に分類はされていないようです。ただ車体前面が一枚板になったもので湿式弾庫を採用したものは(w)とつけて明確に分類されているようです。この車体形式でもM4A2の一部では乾式弾庫そのままのものもあったので、やはり「後期型」あるいは「改良型車体」と分類してやる方が、分かりやすいかな? と思いますので、ここではそれを採用する事にします。
分類については、以下のように定義しています。
1.車体上部の分類
| 1-1. | 初期型= | 車体前面に張り出しがあり、かつ直視バイザーが装備されているタイプ |
| 1-2. | 前期型= | 直視バイザーが廃止され、ペリスコープが装備されているタイプ |
| 1-3. | 後期型= | 車体前面が1枚板となり角度が変更されたタイプ |
2.砲塔の分類(75mm砲搭載型)
| 2-1. | 初期型= | 後部バッスル上部の傾斜が急で、コマンダーズハッチはガンリングマウント、 防盾はM34(幅の狭いタイプ) |
| 2-2. | 前期型= | 初期型の防盾がM34A1に変更されたもの(後部バッスル上部の傾斜が急で、 コマンダーズハッチは原則的にガンリングマウントのタイプ |
| 2-3. | 後期型= | 後部バッスル上部の傾斜がなだらかになったタイプ |
3.砲塔の分類(76mm砲搭載型)
| 3-1. | 前期型= | コマンダーズハッチはキューポラ、装填手ハッチはガンリングマウント、砲身に マズルブレーキなし |
| 3-2. | 後期型= | 装填手ハッチが小判型に変更され、砲身にマズルブレーキがついたもの (中間的にマズルブレーキがつかない小判型装填手ハッチのものもあり) |
ここで問題になるのは車体と砲塔の形式が一致しない場合がままあることです。実車においては現地改修・部品の交換、工場ラインでの生産の移行などから初期型車体に中期型砲塔が搭載されたりすることが多く、組み合わせが膨大になってしまうことです。
(後期型車体には必ず後期型砲塔が乗っていますが)
そこで、そのあたりは組み合わせをはしょって、あくまで一般的に見られる特徴で記述していくことにし、車体形式のみに着目して分類してあります。それ以外の組み合わせについては、このページの後半では各型式について詳細に解説します(表の車体形式をクリックすればジャンプできます)ので、詳しくはそちらをお読み下さい。また、この表で取り上げるのは原則として各種改造キットを組み合わせれば、ほぼ無改造で組める型式だけです。組み合わせによっては多少の改造が必要になる物もありますので、それは難易度欄の★の数で示します。それ以外の組み合わせでも作れるものやかなりの改造が必要なものについては詳細解説で取り上げます。
(★1個なら無改造、★2個なら多少の改造の必要あり)
組み合わせマトリックス
ここでは各型式についてのパーツの組み合わせについて表で解説します。なお、その中で使われる略号は以下のようになります。各メーカーで使えるパーツは下記のように考えています。
| 略号 | メーカー(型式) | 使用可能パーツ |
| T1 | タミヤ M4 | 車体上部/下部、リアパネル、サスペンション、穴開き転輪、3ピースデフ、1ピースデフ(シャープノーズ)、前期型75mm砲塔 |
| T2 | タミヤ M4A3 | 車体上部/下部、リアパネル、サスペンション、穴なし転輪、1ピースデフ(シャープノーズ)、後期型75mm砲塔 |
| T3 | タミヤ M3 | ボギーのみ |
| I | イタレリ M4A1 | 車体上部/下部、リアパネル、サスペンション、穴開き転輪、1ピースデフ(シャープノーズ)、前期型76mm砲塔 |
| D1 | ドラゴン M4A1 | 車体上部/下部、リアパネル、サスペンション、穴無し転輪、1ピースデフ(ダルノーズ)、M34連動砲架(タミヤの砲塔に流用可) |
| D2 | ドラゴン M4A3E8 | 車体下部(金型改修されたもの、基本はイタレリと同一)、リアパネル(イタレリのM4A3と同一)、HVSS |
| A | アカデミー | 車体下部、HVSS(この車体下部を使う場合、リアパネルはタミヤかイタレリから流用して変更する必要あり) |
| B | アーマードブリゲードモデルズ | 105mm砲塔(前期/後期) |
| C | チェサピークモデルデザイン | 初期型75mm砲塔、M4ハイブリッド車体 |
| K | キリン | M4初期型・車体上部/砲塔 |
| M | MPモデル | M4/M4A3車体上部、M4A4車体上下 |
| O | オードナンスモデル | 各種車体/砲塔 |
| V | バーリンデンプロダクツ | M4A1初期型改造キット、M4A4初期型改造キット、各種砲塔 |
この下の表で「転輪」の欄にT1、Iあれば穴開き転輪、D1、T2とあれば穴なしスポーク浮き出し転輪をあらわします。ALLとある場合は、サスペンションと同一メーカーの穴開き、穴なし、どちらでもOKです。なお、イタレリとドラゴンは軸の直径が同じなので、ホイルの互換性があります(ドラゴンのキットには両方入っています)。サスペンションについては前期型VVSSの場合はD1、後期型VVSSの場合はT2、Iと指定します。
(タミヤのサスは両型式で同一部品が入っていますので)
| 車体形式 | 車体下部 | サスペンション | 転輪 | 車体上部 | 砲塔 | 難易度 | その他特記事項 |
| M4 初期型 75mm | T1 (3ピース) |
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K or O or C (M34連動砲架) |
★★ | サスペンション取り付けに多少の改造が必要 |
| M4 前期型 75mm |
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★★ | 同上。タミヤのM4の足回りのみドラゴンM4A1の物に変更 |
| M4 ハイブリッド 75mm |
T1 or D1 | T1 or D1 |
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C or O |
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★ | 車体上部はお好みで。車体下部をD1にした場合はデフカバーをイタレリのシャープノーズタイプに変更 |
| M4 105mm砲 |
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★ | 105mm砲塔を使用の事 |
| M4A1 初期型 75mm |
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★ | VPから改造キットが出てましたが現在絶版です(注) |
| M4A1 前期型 75mm |
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★ | ドラゴンのキットをほぼストレートでOKですが、砲塔のみタミヤから流用した方がいいです |
| M4A1 後期型 76mm |
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I |
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★ | イタレリのをほぼストレートでOKです。ホイルを穴なし、キャタピラをタミヤのT48に変更すればベスト |
| M4A2 前期型 75mm |
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★★ | 個別部品はいろいろ選べます。これはあくまで基的な組み合わせです |
| M4A2 後期型 75mm |
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★ | タミヤM4A3にオードナンスの車体上部の組み合わせ |
| M4A2 後期型 76mm |
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★ | 上記組み合わせで、砲塔をイタレリのモノにすればOK |
| M4A3 前期型 75mm |
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I | O or M |
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★ | リアパネルはM4A3タイプに変更 |
| M4A3 後期型 75mm |
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★ | タミヤのM4A3をストレートで |
| M4A3E2 |
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★ | タミヤのM4A3E2のキットをほぼストレートでOK。砲塔とディファレンシャルカバーはオードナンスのものを使用 |
| M4A3 後期型 76mm |
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★ | タミヤのキットの砲塔をイタレリのモノに変更 |
| M4A3E8 |
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O(後期型) | ★ | リアパネルはM4A3タイプに変更 |
| M4A3 後期型 105mm |
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O or B | ★ | 砲塔は各社の105mmタイプをお好みでHVSSにしたいなら車体下部と足回り全体をアカデミーで |
| M4A4 初期型 75mm |
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★★ | VPの車体改造キット+砲塔、サスペンションのみドラゴンから |
| M4A4 前期型 75mm |
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I or D1 |
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T or O or C | ★★ | 砲塔は初期型/後期型、メーカー全てお好みで |
*M4A1初期型車体パーツは最近クロムウエルから発売されたレジン製改造パーツが使用可能である。このパーツ自体はドラゴン用になっており、同時にM3用ボギーも同社から発売されているので合わせて使用するのが好ましい。ただ、ドラゴンのキットは3ピースディファレンシャルカバーの形状がよくないので、ここも改造パーツ(チェサピークのものがベスト)を使用するようにしたい。