4.戦車(軽・中・重戦車)

M5A1 軽戦車

 M3軽戦車から発達したキャディラックのエンジンを2個積んだ軽戦車。タミヤのいいキットが出ている。これも現代の目で見てもそう不満はないが、実は車体長が4mmほど短いという欠点がある。そのあおりでエンジンデッキ回りの寸法にも問題があるが、修正するとなると大変だろう。それ以外にも足回りに欠点が集中している。部品をM3軽戦車から流用したため、このタイプとしては一般的とは言えない穴開き転輪仕様となってしまっているし、キャタピラもリンク位置が大ウソでこのままではバラけてしまうようなとんでもないモノとなっている。このあたりは最近になってようやくフォローされているので、使用出来るパーツがいろいろあるのは嬉しいことである。転輪関係については、クロムウエルのレジンパーツ(スプロケットと転輪)とアキュリットのメタルパーツ(転輪とアイドラー)を利用すればよいが、標準的なタイプにするためには両方必要になるのが痛い。転輪形状自体はクロムウエルの方が優れているし、穴無しアイドラーはアキュリットにしかないといういかにも「ヤツは俺の敵!」のライバル関係にある両社らしい・・・。

 ディティールアップパーツとしてはLEGENDからは車体キットが出ているが、寸法的にはタミヤと全く同じになっているので、わざわざ高い金を出して買うまでもない。バーリンデンからもインテリア、エクステリア用の各種アップデートキットが出ており、こちらの方がコストパフォーマンスは高いだろう。出来ればアキュリットあたりから「正確な寸法」の車体セットなどが発売されれば嬉しいのだが・・・。

M4 中戦車系列

 これは別のページで詳しく取り上げているのでそちらを参考にして下さい。
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M24 軽戦車

  戦争末期に採用になった75mm砲搭載という強力な軽戦車である。キットはイタレリから出ており、昨年再版になったので、今でも入手出来るだろう。キット自体の出来はイタレリ全盛期と比べるべくもなく、かなり疑問点が多い。端的にいって、模型化されたタイプは戦後型であり戦中型にしようとすると結構手間がかかる。とはいえ、最近そのあたりをフォローするパーツがいろいろ出ているので大変助かるのだが、これまた結構入手難だったりするあたりが困り物である。ロイヤルモデルのディティールアップパーツセットとフリイルモデリスモのメタルキャタピラ(スプロケット/アイドラー付き)を入手すれば、ほぼ全て解決するのだが、両方とも入荷と同時にほぼ売り切れ、再入荷がいつになるか全くメドが立たないというのは大いに困るところだろう。

キャタピラはどうにもならないにしても、車体関係は自分で手を入れられなくもないので、修正点を以下に上げておこう。

  1. ファイナルドライブの張り出しを削りおとし、成形しなおす。キットは戦後増加装甲がついたタイプとなっているため。
  2. 砲塔上部のベンチレーターの形状が変なので修正する。一番簡単なのはシャーマンの砲塔にあるのを流用することであるが、実際は形状・寸法ともに修正の必要がある。芯には使えるが・・・。
  3. その他砲塔周囲の小部品、直接照準具などはエデュアルドや各社エッチングでフォローされているので、それを使えばよろしい。

M26 重戦車

 大戦末期、レマーゲンあたりで使用された実績がある戦後の米軍戦車の生みの親。M46〜M60まで基本的な考え方はこの車両と変わっていない。キットはドラゴンの素晴らしいキットがある。ほとんどディティールアップもいらない細部再現性の名作だが、これも最近は入手困難である。戦後型はたまに見かけるが、戦中型のT26E3はとんと見かけない。もし見つけたら即ゲットをお薦めしておこう。ディティールアップの必要性はほとんどないが、もし手を入れるとすれば砲塔上部の直接照準具とライトガードを薄く整形してやるくらいだろう。あと、これは気になる人だけやればいいが、車体前面のベンチレーター基部張り出しの形状が今ひとつ変なので、ポリパテなどで裏打ちして削り出してやるのもいいかもしれない。

 このキットに付属しているペリスコープガードはプラスチックの限界に近いものだが、その再現性は抜群であり、シャーマンなどにもぜひ流用してやりたいところだ。エッチングでパーツ化される事が多いが、実物は丸棒を溶接したものなので板状パーツではおかしい感じがするし。

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