5.自走砲(自走榴弾砲、戦車駆逐車、対空戦車など)

アーチャー対戦車自走砲

 バレンタイン歩兵戦車の車体に無理やり17ポンド砲を搭載した自走砲。車体が小さいため通常とは前後逆に砲を積んでいるが、このためもあってか妙にスマートでカッコイイ。よく見ると変なのだが(苦笑)

 キットはアキュリットアーマーからフルレジンキットが発売されており、出来は最高である。ただ、アキュリットアーマーの製品の通例にもれず、ハズレを掴むと組むこととすらおぼつかないので購入の際はよくチェックすることが不可欠である。足回りがメタルなので補強は欠かせない。バレンタインのスローモーションサスペンションは模型にした場合の強度確保が大変難しいので、縦横に補強ピンをいれるようにしないと、あとでヘタってしまうので、手抜きは出来ない。

セクストン 自走25ポンド榴弾砲

 ラム戦車の車体を流用した大戦後半の主力自走砲。キットはレジキャストから発売されている。フルレジンキットで足回りまでセットされているがVVSSは後期型だし、キャタピラは硬くて曲げられないので他メーカーの製品から流用してやろう。再現性は良好だが、部品分割が変わっているので合わせが大変に悪い。成型状態が悪いのを掴むと収縮率の違いがモロに影響して、まともに組めない。しかし組み始めるまで分からないので、ハズレを引いたら買いなおすか徹底的に修正するかの選択を迫られる。
(修正が困難なほど歪んでいることもある・・・)

アキリーズ 対戦車自走砲(戦車駆逐車)

 アメリカのM10戦車駆逐車に17ポンド砲を搭載した自走砲。現在のところアキュリットアーマーとクロムウエルからフルレジンキットが発売されているが、アカデミーからフルインジェクションキットが発売される予定もあるので、未購入の場合はいまからレジンキットを押さえるのは無謀かもしれない。キット自体は未所有のため論評出来ないが、両社の特質からして出来が悪いということはないと思われる。

対空戦車(クルセイダーAA、セントーAA)

 大戦後半には使い物にならなくなった巡航戦車の車体を流用して対空戦車を数種類実戦投入している。クルセイダーベースで40mmボフォース機関砲を積んだMkI、20mm機銃を連装にして密閉式砲塔に搭載したMkII、IIIとセントーの車体にクルセイダーAA MkIIIと略同型の砲塔を搭載したセントーAAがある。クルセイダーの方はMkII改造キット(砲塔のみ)がバーリンデンから、MkIII改造キットがアキュリットアーマーから発売されている。アキュリットの製品は砲塔内部まで再現されており値段は高いがその価値があるといえよう。MkIの改造キットは発売されていないが、アキュリットアーマーが製品化する予定だそうだ。セントーAAはずいぶん以前にフルキットがアキュリットから発売されていたが、最近新製品のクルセイダーAA砲塔+その他付属部品で改造キットとして新発売となった。当然ベースはタミヤのクロムエル/セントーを使用するように指定されている。

Morris C9B ボフォース対空砲搭載トラック

 歩兵師団の対空砲連隊で主に使用された。トラックの車体にボフォース40mm砲を搭載するというのもかなり強引な手法だが、それなりにまとまっている車両である。キットはADV/Azimutからフルキットが発売されている(国内未入荷、詳しくは「リトマス試験紙」参照)

 防盾回りを全てエッチングで再現しており、かなり意欲的な製品だが、レジン製ソフトスキンでネックとなるリーフスプリングをシャーシーフレームと一体化するなど「組みやすさ」や「強度」にも気を配った一級品である。

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