高中正義アルバム解説 No.4

夏全開

84年7月発売

ようこそ、夏の王国へ
イントロが最高です。なんといっても夏の王国へ行くんですから。
「どこでも良いよ.......暑くなきゃ.......」と
ボソッと言うのはもちろん大先生です。
で、曲はホンマに解放感タップリのリラックスした曲調です。
ソロの始まる前に夏のギラギラした音が入ってますが、みなさん
のステレオでは聞こえるでしょうか??
ボーカルのシンディは色っぽくてセクシーなので、当時の僕は
この声だけでゾクッとしたもんです。ソロの緊張感と曲のリラッ
クスした感じの対比がこの曲の醍醐味でしょう。もちろん大先生
のボーカルも少し聞けます。
PARADIZZY
またまた楽園の歌です。今度も大先生はオブリ的に歌ってます。
やっぱり大先生の声は良いです。前作でも結構歌ってまし
たが、このレコードでは心境の変化か歌いまくってます。
とても良い事です。ギターも昔を思い出させるよな重ね方ですし
なんかスウィートアグネスなんかを連想してしまいます。
フィンガーダンシン〜なんて歌詞が泣かせます。
EYELANDS
イントロのクリーンと歪んだ音の対比が大好きです。歪んだ音の
方はスゴク泣いてる感じのギターがスゴク良いです。
大先生はサビを歌ってます。ソロは結構激しいです。ライトハンド
なんか使ってて思いっきりイキオイで弾いてる感じです。
エンディングのコーラスのフェードアウトがイイ!!
CUBAN HEELS
このレコード唯一の生演奏です。オルケスタル.デル.ソルとの
共演です。もろにサルサしてます。もちろんキーボードの森村献
や高橋ゲタ男や木村誠がいるバンドで大先生の過去のバンドメン
バーが勢揃いとゆー夢の共演で、大先生もリラックスしたギター
を弾いてます。曲はラテンっぽいですが、メロディ自体は大先生
そのものと言って良い程「そのまま」です。
思わず「マンボNo.5」の頃を思い出してしまいますが、これが
デジタル時代の大先生流のラテンなんでしょう。
大航海時代
先の曲と打って変わって思いっきり打ち込みです。でも全然違和
感がないのは何でなんでしょうか??
大先生はメインボーカルでホノボノとした歌を歌ってますが、
ギターはそれに反してスゴクハードです。が、泣きのギターなん
です、これが。ライトハンドが効果的に使われていてスゴク鳥肌
ギターなんです、これが!!
終わりの方なんか今こうして聞いてるとホンマに涙が出そうになる
のは何故??このアルバムの中で一番好きかもしれない。
DANCING TO CAT GUITAR
これぞ打ち込みって感じで始まります。序々にパートが増えて行く
古典的イントロですが、今回のアルバムの中で一番シングルを
狙ったかもしれない程のシンプルな曲調です。
ソロのギターはワウがかかってますが、ほとんどペダルを動かさ
ないんで最後の「ギャーン〜」ってとこまで気付きませんでした、
最初に聞いた時は。
大先生の最後のボーカルはなんか曲が終わるぞって感じで良い
アレンジだと思いますなぁ!!
SUMMERTIME BLUES
ライヴでも良かったこの曲です。最初見た時はWHOもやってる
アレかと思いましたが、大先生はもちろんオリジナルです。
ボーカルとギターがスゴク良いバランスで今後のポップス路線を
イメージさせてくれますが、この当時はこっちに行くなんて想像
さえしてませんでしたが.............
ソロはタメのギターで聞かせてくれます。なんかの雑誌にこの曲
はサンタナを彷佛させる、なんて書いてましたが、ちょっと違う
気がしますが........どーでしょうか??
RETURN ACE
大先生のアルバムには結構こういう感じのキメまくりの曲が
時々入ってますが、これは正にそーです。
当時凝っていたテニスをイメージした曲です。テニスのリターン
の音をイメージした音が入ってます。
ギターはピンクのSGでアーミングなんかも披露してくれますし、
ハーモナイザーでの何重にも重ねた様な効果も聞かせてくれて、
これぞ高中エフェクト!!って感じの強力な曲です。
NEPTUNE
アルバムも終盤になり、ゆったりとした曲が聞きたくなります。
波の音がよせて帰す音も入ってますが、正にそんな曲です。
特にサビの泣き方がスゴク良い!!サンタナみたいですが、やっぱ
り大先生です。で、クリーンに行って休み、その後のソロが正に
タカナカ!!ってソロを弾いてます。歪みを押さえた所なんかも
ゾクッって世界です。個人的にはこんな路線で行って欲しいです。
今年のBAHAMAなんかはこの路線ですね!?
OYASUMI
本当に生音で弾いてます。エフェクトなんかなくてもこんなに
色っぽい音が出せて良い曲が書ける見本みたいな曲です。
この曲1曲で、このアルバムがトータルアルバムだとわかります。
でもコピーしてみると以外にこのニュアンスは難しいです。
ある程度ギターが弾ける方はこんな曲をコピーしてみるともっと
ギターがウマクなるし、大先生に近付けると思います。
おやすみと言うだけあって寝る前に聞くと最高です。
入ってないのに虫の声が聴こえてくるのは僕だけでしょうか??

このアルバムを聞くと浪人時代を思い出してしまいます。って、これが出た時浪人だったんで........
とにかく聞きまくりました。大先生のレコードは数ありますが、多分これを一番聞いたでしょうか。
まぁ、ヒマやったと言う事もあるんですが、前作の「Can I sing」が打ち込みバンバンだったので
結構欲求不満になってたのかもしれません。だからこの「夏全開」ってタイトルだけでも期待が大きく
ジャケットを見て「これや!!」って思ったのを思い出します。
もちろん中身は1回聞いて「最高!!!」なんて思いました。打ち込みもエエなぁ....なんてこのアルバム
で打ち込みへの抵抗はなくなりました。機械でもこんなに味のある曲が作れるし、大先生のギターも
殺すよりもむしろ生かしてると思った。1曲だけ打ち込みじゃない曲が入ってるのもアクセントになって
て大成功です。もう何千回聞いたかわかりません。あの頃は1日にこれだけを10回以上聞いてた様な.......
何回聞いてもホンマに飽きません。もちろん今聞いててもやっぱり大好きなレコードです。
ライヴは大阪フェスティバルホールで見ました。オルケスタル.デル.ソルと一緒に演った時です。
大先生はレコード通り歌いまくってました。確かステージに大きな(畳み1畳ぐらいか?)歌詞カンペ
があったのが、印象的です。
このレコードでは、SG3000がメインに使われてます。ピンクのSGもアクセント的に使われてるので
良く聞けば解ると思います。音はボスのディストーションを使ってた時期で、割とファズ的な音です。
この音がスゴク好きで今も僕はボスを使ってます。でも生音のこの色っぽさはどーしたら出るんでしょうか??
やっぱりこれがタカナカマジックなんでしょうか??
とにかく冬でも聞いてて夏の楽園に行けます!!

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