拝啓、高中大先生

高中大先生、早速ニューアルバムの「GUITAR DREAM」聞かせていただきました。

実際聞いて最高です。ただちょっと気になった事をちょこっと......

確かに良く出来たアルバムです。今までの大先生の路線(僕の好きな感じ)を踏襲して
ます。でもこれって何か「バラード」「ネイルザポケット」と続いた後の「フェードトゥ
ブルー」に似てると思うんですが.......
もちろん僕はこの路線で行ってくれる大先生の音楽は大好きですし、一番聞きたい大先生
の音楽に一番近いです。

あの「フェードトゥブルー」が出た時は「大先生帰ってきたよぉ〜!!」と思ったんです。
でも今から考えてみると結局「今までの曲の焼き直し」に聞こえたんですよねぇ......

で、今回の「GUITAR DREAM」を聞いた後同じような感覚になりました。何故??曲は
前にも聞いた事のある曲にそっくりですし、素直に体に入って来る曲ではありますが、これ
って本当に大先生のやりたい、今表現したい音なんでしょうか??公式MLでアンケートなん
か取ったり前にも大先生からの「弱気発言」なんかもありましたし......そこで聞けたファンの
声は「昔は良かった」「僕が好きになったあの頃に戻って欲しい」「昔のライヴの音源が聞き
たい!!」とかばっかりで全然「これからの大先生」について言及された人はいませんでした
よね??「ラヴラヴ〜」を辞めた時も「僕は最近の歌手のバックで弾く高中さんを見たくない」
とかばっかしで......前向きな意見は少なかったように思います。
個人的には今売れてる歌手のバックで弾く大先生をそのファンの奴らに見せたかったです。
そしてそのファンの「若い子(?)」らに大先生の音楽を聞くきっかけを与えてくれたら......
と思ってました。それだけのパワーと凄さを持ったギタリストなんです。大先生は。
ですのでご自身の意志で辞められた事は非常に残念に思いました。

僕は決して「ハンプラグド」は好きなアルバムではありませんでした。今まで聞いた大先生
のアルバムの中で一番聞かなかったカモしれません。
でももしあのアルバムの音が「これからの高中正義」だとしたら......今回のアルバムはどー
なんでしょうか??大先生がかなり影響を受けたとご自身からも言っているサンタナなんかも
自分のギタースタイルはまるで変えずに「新しい音楽」を作り、一時期日本ではあまり売れない
時期もありましたが、去年なんかグラミー賞を大嘗めでしたし......日々カルロスも前に進んで
ますが、大先生はいかがでしょうか??

キツい言葉で言えば「全く変わってない」です。とにかく「今まで」の「高中正義」の一番
良い所が詰まったものではあるのですが、これって本当に大先生がやりたいと思ってるもの
なのでしょうか??もし前の「ハンプラグド」みたいなのが大先生の「本心」だとすれば
それはそれでオーケーですし、「これも高中正義の音楽」と納得出来ます。ですが、今回の
アルバムはまるでファンの意見を尊重したようなアルバムに聞こえました。
どんな商売でもマーケティングは大事です。でも音楽を自分で作るようなアーティストとして
これは正しい方法でしょうか??単にこうすれば売れるとかだとそこにアーティストの意志は
入ってないと思います、僕は。大先生が昔一番嫌ってた「売れる音楽」かもしれません。
確かに僕らファンはこのアルバムのような音を聞きたかったです。別に変わるのが良い事だとも
思いませんし、変わらない事は大切な事だと思います。
でも大先生ご自身は本当に今回「自分の聞きたい音楽」だったでしょうか??

そりゃあ好きか嫌いかで言えば今回のアルバムは「大好き」です。ただ、過去のライヴテイク、
しかも昔からやってる曲を入れてしまってる大先生は本当にご自身の「大好きな音楽」ですか??

不満を書いてしまったようになりましたが、僕は今回の「GUITAR DREAM」は本当に大好きな
アルバムです。これは本心です。でも高中大先生はどー思ってるのでしょうか??
僕の心配しているのは「ファンがこう言ってるから」とか「ファンはこんな音(昔の音楽)を
好きなんじゃないか??」と思って今回のアルバムを作っておられるのでしたら僕の好きな
「アーティスト高中正義」は「終わり」です........
でも過去から「偉大なアーティスト」は昔からの路線を踏襲しつつも「新しい音楽」を作って
いってます。ストーンズ、陽水氏、達郎氏なんかはその良い例かもしれません。
まぁ、大先生がベンチャーズみたいになりたいのでしたら話は別ですが......

で、最後に僕の聞きたい事は「2001年の高中正義としてこのアルバムは本当に100%納得して
ますか?」と言う事です。
今回の大先生のサイトなんかではやけにポジティブな事を言っていますので「僕は大先生は納得
して出したアルバム」だとは思ってますが、曲を聞いた感じでは正直もの足りませんでした。
ですので今回大先生に向けてここに書いてしまった次第です。

まだまだ新しいファン、今の「若い」ギター小僧をノックアウトしてくれる作品を作ってくれる
だけの力量、歌謡曲と対等に並べられるインストを作れるのは日本の中では「高中正義」ただひとり
だと思っています。オリコンのチャートだけが全てではないのですが、やはりある程度売れなければ
「聞いてもらえない音楽」になってしまいます。高中大先生の音楽は「多くの人に聞いてもらえる音楽」
だと思ってますし、今異常に売れてるつんく♂氏よりも素晴らしいプロデューサーだと思ってます。

本当に毎年誠心誠意のアルバムを僕らに届けてくれる大先生には感謝しています。僕もファン暦が
20年になるのですが、これ程長くひとりのアーティストを追い掛ける事なんて今だかつてなかった
事なので失礼を承知で僕のサイトに公開してしまいました。

では今年はこのアルバムを聞いて「異常に暑い夏」を越したいと思います。

P.S ただひとつ不満を言わせてもらえば大阪でライヴをやらないのは悲しすぎます!!

敬具

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