けん引車免許 取得の道のり その2


2段階:所内コース教習編

さて一段階ではけん引車の基礎とも言うべくバックの概念、そしてまだ文章にしていませんでしたが
右側の車庫入れで一段階は修了。

話は変わりますが、どうして町中で見慣れているトレーラーの荷台より
教習車のトレーラーの荷台は短いの?と気付いた方もおられるかと思います。
なーんだ、荷台が短いから長い荷台に比べて運転が楽そう・・・と思うのも普通かもしれません。
確かに前進している間は荷台が長い分、曲がる時の内輪差も大きくトラクターを前に出さないと曲がりきることが
できません。
荷台が長いとそう言ったリスクはついてきますが、では短いとどういったことが起こるの?
荷台が短いと前進での曲がる際に起こる内輪差がその分小さいため、大型車に比べ楽かもしれません。
ただ荷台が短いとバックする際に、路面の傾斜、凹凸を拾った際にその影響を受けやすく
意図する方向と違う方向へ曲がりやすくなってしまいます。
そう、荷台が長いと路面の影響を受けにくく、短いと路面の影響を受けやすいのです。
何度も書いてしまいましたが、けん引車の肝はバック。荷台が短いとバックが難しく、ちょっとしたハンドルさばきが
変わるだけでトラクターと荷台の関係が変わってしまうので、よりけん引車を習得するには
荷台が短いものが使われているのだと思います。

それでは2段階の教習へ。

2004年4月11日(けん引所内:1時限分)
2004年4月17日(けん引所内:3時限分)
2004年4月18日(けん引所内:3時限分)
1段階の見きわめをもらい、2段階へ・・・。初めに書きましたが、けん引車の教習では路上がないため、
仮免検定がありません。1段階の見きわめ後はあっさり2段階へ進みます。

2段階とは言え、相変わらず1段階の続き・・・だったのですが、1段階の見きわめから約3週間のブランクをあけてしまい、
2段階へ望みました。
ただここまでトントン拍子で進んで来た余裕だったのか・・・しかしそれが災いに転記してしまいました。
そう、バックのハンドル裁きの感覚がどっかにお留守になっていたのです。
簡単に言うと、さりげなくバックの際のハンドルを逆に切っていたのです。

こりゃーあかん!既に忘れてしまっているバックの感覚が〜。
数度の練習で何とか取り戻せましたが、けん引車教習の期間のインターバルは悪が潜んでいたのでした。(笑)

それではけん引車での一番の壁となる車庫入れ。
乗用車の車庫入れの場合は右側の車庫に入れる際はハンドルを右へ、左側の車庫へはハンドルを左に切れば車体はすんなりオシリから
入ってくれるのですが、けん引車はそう言うわけにはいきません。(肝と言うからには・・・)

下のアニメーション(見づらいかもしれないですが・・・・)では右側の車庫入れの例です。


まずけん引車をバックで車庫に入れるには荷台を車庫の方向に向けなければなりません。
右側の車庫へ荷台を向けるには、ハンドルを左側に軽く切って荷台を右側に向けていきます。
車体が徐々に下がるにつれ荷台は右へ、トラクターは左へと曲がり始めます。
これは序盤で出た直線バックの応用編になり、ここで荷台を車庫のある方向へのきっかけ作りになります。

そしてトラクターと荷台の角度の関係が45度になったらハンドルを逆に右側にきります。
そう、ここは前頁の最後に出てきた右側動作一周の挙動に変わります。
この45度を保ちつつ荷台を車庫の中へ入れていき、ここからはほとんど感覚的な物ですが、
ある程度車庫に入ったところでハンドルをさらに右一杯にきります。
すると前頁の右下のアニメーションのように荷台とトラクターの角度は狭まり、一直線になろうとします。
荷台とトラクターが一直線になったところでハンドルを真っ直ぐに戻し、そのまま直線バックで車庫へと入れていきます。

例では右側の車庫入れでしたが、逆の左側はハンドルの回す方向が逆になるだけで、挙動は同じです。

文章にしても乗用車に比べてハンドルを右へ左へと回す回数が多いです。
アニメーションではできるだけ分かりやすいように、車体を止めてハンドルを回す動作(通称:すえぎり)をしていますが、
一般車に比べけん引車はただでさえハンドル回転が多いので、 車のためにもすえぎりは控えた方がいいかもしれません。

実際、教習車で使われているけん引車はシャフトの痛みが非常に激しく、交換が頻繁だそうです。

2段階では車庫入れ(右側、左側)、踏切通過、S字、交差点右左折、のメニューが行われました。
車庫入れは前文で説明しましたが、あと大型車と違うのが 交差点の右左折。
けん引車の荷台は大型車と違い、1本のジョイントでつながれているため、荷台の挙動が大賀車に比べワンテンポ遅い動きになります。
教習車のような荷台が短くてもその挙動は同じで、大型車に比べ運転席を前進気味にしないと後輪が内輪差とプラスαされアッと言う間に
障害物に迫ってしまいます。
万が一内輪差で後輪が障害物に迫ってしまった場合、当然ハンドルを戻す動作になりますが、 戻す量を大型車より多く戻さないと
荷台はその挙動に答えてくれません。

この交差点右左折が克服できれば、あとは要領としては大型車と同じ。ましてや大型車に比べ内輪差の小さいけん引車は
S字通過は楽かもしれません。

そして全教習課程を修了し、みきわめをいただき卒業検定へとステップするのでありました。

2004年5月1日(卒業検定)
とうとうこの日がやってきてしまいました、けん引卒業検定日。
前にも説明しましたが、けん引の卒業検定は学科試験は普通車で免除、仮免路上教習もないため所内コースでの検定のみです。
大型車、けん引車も教習数、試験数も財布の都合上必死になってしまい最短数で受けれましたが、ここで落ちてしまったら
せっかく財布の紐が万年きついって言うのに更にきつくなってしまう。
これだけは何としてでも避けたい、と緊張するなか試験に望みました。

しかし緊張している自分とはウラハラに受験の順番は一番手。もう緊張している暇もない・・・とあっさりと車に乗り込むのでありました。
まずはコースの外周を一周。第一コーナは何なくクリア。ここで緊張がアッサリほどけてしまったか、第二コーナーで息をのむことに。
第二コーナーに差し掛かった時、いつもならトラクターを少々前進させた状態でハンドルを切るのに、カーブに合わせてハンドルを切ってしまった。
左回りの外周だったため荷台の後輪が縁石に擦るか擦らないかのきわどいところを通ってしまった!。
その瞬間、検定員が前に乗り出しミラーでじっくり後輪の確認をしている。 あわててハンドルを戻すが、検定員の表情は何と言っていいか
分からない。
「大丈夫だったのか〜?」
。大丈夫だったのか検定は中止にならず車は先へと進む。
S字、交差点右左折、踏切通過、そして最後の車庫入れ。今回は左側車庫入れだった。
この車庫入れのために何時間費やしたか・・・・、ここはイッチョ、バシッ!と決めますか!と車庫へと進み、
自分的にはそれなりにバシッと決まって入れたつもり。
そして発着点に戻り、合格発表待ちへ・・・。

この待っている時間、前半の第二コーナの荷台のタイヤを引っかけたが非常に気になる。
検定中もそればっかり気にはなっていたのだが、その気にする中合格発表へ。

合格! 頭の中ではでっかくガッツポーズでヤッタ!(もちろん表には出さないですが)。
しかし得点数は75点。(あれーっ?)
持ち点100点の減点方式で、70点以上が合格・・・・ってことはギリギリだぁ。
欠点として、車庫入れの際の安全確認が目視で行われていない。
交差点右左折時にも安全確認が目視で行われていない。 だった。
ミラーでは見ているけど目視をしているかしていないのか曖昧だったらしい。
検定中に第二コーナーの荷台のタイヤのことばかり気にしていたか、
目視での安全確認を怠ってしまったらしい。
ちなみに第二コーナでの荷台のタイヤをひっかけたかひっかけないかは
全く問題にしていなかった。
あ〜いらん心配してしまったばかりに、いつものようにはいかなかったようだ。

まっともあれ、けん引車の検定修了で無事に卒業!

そいでもって早速2つの卒業修了証(大型、けん引)を持って運転免許試験場へ足を運び、無事免許申請しました。

これで教習は以上!(なのかな?)