2001/12/02 イニーをヤビツ峠に連れてって

ここから先は、完結しないレポートを見かねたイニーさんが吉田さんと協力して、

リレーレポートとして仕上げてくださいました(^-^)

ありがとうございますm(_ _)m&ご迷惑をおかけしました


イニーさん

そのころ。

体力に限界がきていたイニーは、薄れゆく3人の背中を気にしつつ、

えいこらえいこらとペダルを踏みしめていた。

でも、ぜんぜん進まないのよ。

ああ、もうだめだなあ、とおもったそのとき、少しだけ体が軽くなった。

おお、これはにちさんが前に遭遇した「お花畑」状態なのか・・・。

しかし、またすぐに体が重くなった。

振り返ると、BD-1のまきさんが体勢を崩しながら走っていた。

ふらふらのイニーの後ろを走っていたまきさんが、

見るに見かねて背中を押してくれたのだった。

いやー、人から押してもらうのって楽ちんだね(はぁと)。

くせになりそうだ(笑)。

そうこうしていると、よしださんが戻ってきて、

「きまぐれ喫茶まで行って来たよ、あとちょっとだよー」

と言った。

心の中で「ほんとかよっ(-_-メ)」とつっこみをいれたが、

その場ではうなづくだけの体力しかがなかった。

まるで平気そうな楽しそうな3人に囲まれながら

(余力ありありのおのさんはお茶目に「かくれんぼ」とかしていた)、

イニーはへろへろでその「あとちょっと」の距離を走った。

自分が必死なときに、まわりの人が余裕しゃくしゃくだと、

なんだかいやんな気分になるぞ(笑)。

どのくらいペダルをまわしたのだろうか、よしださんが

「ほら、あそこが気まぐれ喫茶だよ」

と言い、前に三角形の屋根が見えた。

う、う、うれしいーーー。

その途端、ペダルが軽くまわりだしてすいすいと進んだ。

相模湖駅を8時前に出てから4時間後、

やっとお昼休憩の「気まぐれ喫茶」に到着したのだった。

気まぐれ喫茶ではそれぞれうどんやそばや麦とろ飯を頼んだ。

注文を考えてる最中に、あとから追いかけてきたたかさんが現れた。

なんてジャストタイミングなんだー。たかさん恐るべし。

料理はうわさ通り、一品料理と思わせておいてコースででてきた。

サラダ、おでん、蕎麦、そしてデザートにウサギちゃんりんご。

知らなかったらびっくりするよ(笑)。

みんなで食事をして暖かいコーヒーを飲んで穏やかな時間が過ぎる。

ああ、しあわせ・・・。

そんなときみんなの話で「山頂はこの先」という事実を再認識する。

そうですかあ・・・、そうですよねえ・・・、

今まで走ってきたところに頂上なんてなかったもんねえ(苦笑)。

さて、山頂を目指して出発する。

当たり前だけど、あいかわらず登り坂がつづく。

走りきれるか不安だ。

すぐに湧き水ポイントに寄って水の補給。

そしてまた登る、いや、走るか(笑)。

どうやらイニーは気まぐれ喫茶直前のへろへろ状態から、

少しは回復しているようだった。

冬の山の夕暮れは早いのか、太陽の光が少しオレンジがかって見えた。

ガードレールの向こうには樹木のてっぺんがつきだしていて、

大きな木の先端が見えるほど登ったのねと思った。

静かな山道を一列になって黙々と走る。渡り鳥みたい。

そして・・・、頂上に到着。

はふー、よかった、よかった。着いたよー。

ここでは大喜びする気力なんてもちろんなく、

脱力して「はあ、頂上ですか、そうですか」という感じだった。

怒りはストレートにでるが喜びは屈折してでるらしい(笑)。いかん。

頂記念撮影していよいよ下山。

さあ、やっとやっと坂を下れるぞうー。

下りは下りでこわいけど、自分のペースなら平気はずだ。

イニー

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吉田信生さん

山頂を出発して少し走ると、景色が開けた。凄い。

目の前には大パノラマが広がる。

下りで自転車の操作に気を取られるのがもったいないくらいだ。

景色に気をとられつつ、ゆっくり下っていく。

少し下ると、菜の花台だ。

晴れ渡った空に傾きかけた陽が、下界を照らし出している。

その景観を楽しむために、皆で少し休憩だ。

ヤビツ峠の頂上では、喜ぶ気力も無く疲れ切った笑顔を見せたイニーさんも

普通の笑顔になっている。よかった。

ここからは、地元のたかさんに鶴巻温泉まで案内してもらう。

たかさんを先頭に、ゆっくりヤビツ峠を下っていく。

今日の主賓、イニーさんのペースに皆であわせている。

峠の価値を下りの爽快感にあるとしているおのさんもゆっくりだ(笑)。

4 時間以上かけて上ったヤビツ峠は、30 分ほどで降り切ってしまった。

下りで何か寂しさを感じてしまうのは、私だけだろうか(笑)。

たかさんの話だと、ここから鶴巻温泉までは小さな峠を一つ越えるという。

すでに疲れきっているイニーさんを皆で心配するが、とりあえず出発だ。

車の多いなだらかな上り坂を登っていく。

ヤビツ峠で坂になれてしまったイニーさんは、坂を坂と感じないらしい(笑)。

トンネルを抜けると後は下りである。あっという間に鶴巻温泉に到着。

女湯に入るイニーさんと別れ、ゆっくり湯に浸かる。

峠で疲れ切った体には、温泉は極楽だ。

良い気持ちで、今日の峠についてい語る。

いや、みなさん、誤解していますが、私は嘘つきじゃないってば(笑)。

峠に吉田峠(仮称)とか名前付けちゃだめです、牧場峠という名前があるんだから(笑)。

温泉と会話で今日の疲れを癒し、鶴巻温泉を後にする。

その後は、サリーナさんお勧めの焼肉屋だ。

おのさんがいるテーブルではビールを飲まない。(笑)、

隣の、金田さん、にちさん、いにーさん、たかさんはおいしそうにビールを飲む(笑)

のんべの私は我慢だ。まきさんといっしょに。(笑)

失ったエネルギーを取り戻すがごとく、皆で食べまくる。

自転車談義の中で、私が 100km なんて走れないよ〜、と言っていると、

イニーさんが、私も走るから走ろうと言ってくる。チャレンジャーだ(笑)。

さりげなく、皆に強制されるように約束させられる。

私は酔ってないんだけどな(笑)。

焼肉を食べご飯を頼み、みなまんぷくになったところで、焼肉屋を後にする。

そして鶴巻駅で解散。お疲れ様でした。

吉田信生


このときのヤビツ峠ツーリングはとても楽しかった思い出でいっぱいです。

ただ、私がレポートに書くにはハッピーすぎたのかもしれません(笑)

振り返ると、吉田さんとイニーさんとヤビツ峠を登るまでのやりとりが、私とってのヤビツ峠だったように思えます。


作成者:にち (nish@lares.dti.ne.jp)
作成日:2002/06/22作成 2002/06/22 更新
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