死の周回霞ヶ浦

朝6時前に起きて、シャワーをあび6時半に駐車場でみんなと集合。 車で会場まで。まだ7時くらいだというのに人でいっぱい。 駐車場も結構はいっていて、我々が車から自転車を降ろし準備が終わるころには満車になってしまっていた。 トレンクルは空気が抜けやすい。準備が終わってちょっとタイヤに触ってみたら空気が抜けていた。 こぐさんにフロアポンプを借りて空気を5気圧まで入れた(つもり)。今思うとこのときもしかして入れすぎていたのかもしれない。 発進準備!空気を入れたり最終チェックに余念が無い。 準備が終わり会場に向かう。 受付のところで参加票を渡し、ゼッケンとカードをもらう。 右側には車検の係りの人が10人くらい待ち構えている。 そこにいって車検してもらった。特に問題なく1分かからない程度だった。 車検の様子。1台あたり2人の係員がついて空気が入っているか、 ブレーキがちゃんと効くか、ベルがなるか、ライトとリフレクターはついているかなどを調べる。 ちなみにテールランプはリフレクター扱いになった。 それから、ゼッケンをとりつけた。ゼッケンをつけるとなんだか興奮する。 (だから終わって一週間以上たつ今でも取り外していない) 車検が終わるとゼッケンの取り付け。はじめてつけるゼッケンはなんとなく誇らしげだ。 ゼッケンをとりつけたあと、フラフラしているとおのさんのグループを発見。いつのまにかにまきさんはこっちに合流していた。 特に自己紹介の雰囲気もなく、うっすらと気まずい雰囲気。みんなどことなくそわそわ。 なんとなく8時までだらだらと過ごす。 おのさんたちと合流。このあといきなりのにわか雨。朝だから、、、??? 8時から出発。会場を出て右に曲がり、そのあとはひたすら車道、車道、車道。 土浦にはカエルがたくさんいて、路肩には死骸がたくさんあった。 カエルも大きくてしかも仰向けになってつぶれて死んでいるとグロくて気分がブルーになる。 なるべく下をみないで運転するようにした。 とにかくずっと車道車道車道、そして平地。ときたまアップダウンがあるけど、それもちょっとだけ坂道の程度。 一回コンビニ休憩をとったくらいでスムーズに進む。スピードはだいたい18キロくらい。 結構ゆっくり目だ。トレンクルでももう少し速く走りたくなるくらいのスピード。 あとから来るロード軍団にどんどん抜かされたが、いつしか抜かされなくなった。最後尾になったか? サイクリングロードのコースは霞ヶ浦からは少し離れたところを走る。 なので湖面を見ることはほとんどない。最初に見たのは第1チェックポイントのところだ。 ここは舗装されていてとても走りやすく車もこない。 しかし幸せはつかのま。 第1チェックポイントを越えるとまた車道が続くのだった。 出発してからしばらくは車道であったが、途中から少しの区間だけ走りやすい道に出た。 向こうに見える建物は第1チェックポイントだ。 チェックポイントでは、水、ポカリスエット(薄い)、バナナがもらうことができる。 水は冷えていておいしかった。トイレにいくなどして15分ほどやすんだ。

○爆発

30キロ走った頃だったろうか。 車道の路肩を走りつづけていた。 ちょうど網状の蓋の上を走っているときだったような。 パーン!と爆竹を鳴らしたような音がした。 車かな?と思った瞬間にサドルがガクガクっとした。 自分のタイヤがパンクしたのだ。それにしてもすごい音がしたパンクだ。 バーストして裏から修理した状態。見えているのはガムテープの糊面。 みるとタイヤの一部が裂けてしまっている。中のチューブも穴があくというより破れている。 うーん、困った。まずタイヤ交換のための工具がない。それは誰かに借りられるとしてもタイヤのスペアはない。 このようなときガムテープで補強することはよくレポートで読んでいたので、なんとかなるような気がした。 おのさんがタイヤ修理を行ってくれた。こういうとき自分で自分の自転車が直せないのは情けない。 バーストした部分に裏側からガムテープを張り、穴をふさぐ。 そしてこの部分にあたるチューブの一部にもガムテープをまき、ふくらみすぎないようにする。 これをしておかないと、その部分だけふくらみすぎてすぐにパンクしてしまうそうだ。 パンクの修理もほどなく終わった。 ガムテープも空気入れも用意しておいたが、私の手際が悪く結局他の人の借りてしまった。 さて、パンク修理したトレンクルはゴツゴツした乗り心地となった。 これに伴い、手がしびれ足や腰にもかなりの負担がきて、とても体力を消耗した。 しかし、まだまだ長い道のり。ただただ続く平らな道をゆっくりなペースではしった。 あまりに単調な道のりのため、みんなは眠くなったらしい。 実際こぐさんは走りながら寝てしまい、縁せきにぶつかってしまった。 私はトレンクルがゴツゴツいっているので、眠くならなかった。 それにまたパンクしないように下を注意深くみながら走っていたため精神的にも疲れていた。

○トレンクルは二度死ぬ

行程も2/3ほど進み、第2チェックポイントが近づいてきた。 コンビニで昼食を買い込み、第2チェックポイントで食べることになった。 私はおなかがすいていたので、おにぎりとパン2つと揚げ物2つとゼリーを買った。 ハンガーノック気味だったので、パンを1つ食べた。 食料をハンドルにひっかけ、めざすは第2チェックポイント。ここから数キロのところらしい。 第2チェックポイント前の橋。とてもキレイだった。しかしこの直後に、、、 走りだしたとき、なんとなく違和感があったのを覚えている。 そして、少し走ったところで後ろで、 「にちさん、ダメだ!」 と声がした。 止まって後輪を見てみると空気が抜けていた。 ずっとゴツゴツしたのに乗っていたので、よくわからなかった。 タイヤからシューっと音がする。穴があいている場所は明確だ。 チェックポイントまではあともう少し。 なんとか簡単な修繕だけでチェックポイントまでいって、そこで修繕したい。 上からガムテープを張ってみた。しかし空気を入れてもシューと抜けていくだけ。 「ここで直していこう」 まきさんが言った。私とまきさんとこぐさんが残って、あとの人たちは第2チェックポイントに向かった。 今回は自分で修理してみた。慌てているのかなんだか動きがおかしい。 落ち着いて落ち着いて、と作業を進めた。 車が一台とまった。 霞ヶ浦サイクリング大会のスタッフの人たちだ。 「どうしたんだーい」 「パンクしちゃったんです」 「だいじょうぶかー、乗っていけー」 「いや、なおせるんで大丈夫です。」 「乗っていけー」 「大丈夫です。」 「そうか、もうすぐチェックポイントだから、そこで待ってるぞ」 「わかりましたー」 こんなところで、リタイヤしてたまるか。 ほっておいてくれ!という気持ちと、 我々が最後尾だとしたら、あの車がいったあと走れなくなっても誰も助けてくれないんだ、 という恐怖感に包まれる。 心を再度落ち着けて作業を始める。 レンチでネジをはずし、チェーンをはずし、タイヤを取る。 チューブを抜き、新品のチューブを入れる。 寄せて、あげて、寄せて、あげて だめだ!入らない! 一つ、軽く深呼吸した。 寄せて、あげて、寄せて、あげて まだだ!タイヤレバーを使うべきなのか?でもさっきおのさんは手だけでやっていた。できるはずだ! ここでチューブにガムテープを張っていないことを思い出した。仕切りなおしだ! 寄せて、あげて、寄せて、あげて 寄せて、あげて、寄せて、あげて やった!うまくいった。 空気を入れて具合を確かめる。うん、いい感じだ。 タイヤの内側のガムテープも最初のときは2重だったのを今回は5重にした。これで大丈夫だろう! こうして走りだした。 チェックポイントについたころには、既に1時を過ぎていた。 スタッフの人たちがいたので、冷たい水を補給しみんながいる芝生のところにいった。 こぐさんとまきさんにはとても迷惑をかけてしまった。ゴハンを食べる時間がない。 私もすっかり食欲がなくなってしまっていた。それでもがんばって詰め込んだ。 おのさんが穴があいたチューブを修理してくれた。 我々が最後だと思ったら、親子2人組が我々の後にチェックポイントに入った。 子供は小学生低学年くらいだった。がんばっているなあと思った。

時間との戦い

1時半頃に出発した。 残りは地図をみた感じでは30キロくらいに見えた。 実は3時半までにゴールしないといけないということがこの時点でわかった。 残り2時間で30キロは今日のペースから行くとぎりぎりのような気がした。 計算してびっくりした。実はもう完走できるかどうかぎりぎりなのだ。 もちろん順調にこのまま行けば完走できると思うが、 もう一度パンクしたら私はタイムアウトである。 みんなに迷惑かけないようにリタイヤする覚悟をした。 そして今まで以上に地面の石やガラスに気をつけた。 しかし、トレンクルで90キロ走るのはかなりキツい。 ただでさえサスなしなのに、ガムテープで補強している部分が衝撃になり、それが手にきて痛くなってきた。 お尻はサドルのおかげで痛くなかったが、足や腰が疲れてきた。 サイクルメータをみながら、 「早く着け、パンクする前に!」 と祈った。 ここまで苦しい思いをして、最後はリタイヤなんてバカらしすぎる。 とにかく気力で走りつづけた。 残り10数キロ!と思っていた頃にコンビニによった。 「あと3、4キロほどです」 といわれてホッとした。第2チェックポイントからは私の計算より10キロほど短かったのだ。 この時点で3時頃。もう絶対間に合うと確信して気持ちが楽になった。 市内を走っていくと、スタッフの人がこっちこっちと案内する。 曲がると見覚えのある建物が。スタートの場所だ! ゴールのところではスタッフの人たちが待っていた。 そして拍手で迎えられる。 パチパチパチ、、、 結果こそ、めちゃめちゃ遅いけど、うれしくなって左手をぐっと握りしめた。 こうして、霞ヶ浦一周大会は終わった。

そのあと

東京に戻って、和田サイクルでタイヤを購入して早速はめかえた。 和田サイクルでなんとか復活したトレンクル。お疲れ様。 しかし、私のパンク修理のやり方が悪かったらしく、2週間後に後輪のハブが壊れる。 ベアリングが飛び出してしまったのだ。 サイクルサービスおおやまさんに持ち込み、なんとかなおしていただいた。 今回のような長距離にはトレンクルは向いていないようだ。適材適所。 でも、これでトレンクルと仲良くなれた気がする。