〜北海道〜
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北海道の河川で釣りをして驚いたのは、河口付近で渓流魚が釣れるということでした。本州のそれもかなり南に住む
私にとって渓流魚は標高の高いところで釣れるものというイメージでしたから、潮の香りがするところでヤマメやニジマスが
釣れたのはとても新鮮でした。
去年と今年のお盆にほんの一週間ほど北海道に行っただけの私が紹介できる内容は少ないのですが、すべて実体験に
基づいているので、参考程度にはなるかも知れません。
名付けて「魚種別、実戦的北海道攻略法」
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イトウ(猿払川編)
シーズンは春と秋。現在イトウがいると言われている河川は(私の知る限り)猿払、猿骨川、斜里川、釧路湿原を流れる川。
3月4月には猿払川の河口付近で50センチクラスなら1日に10本あげる人もいるといいます。しかし、1メートルを超えるものは
各水系で年間数本らしい。
私が釣ったのは猿払川上流。上流といっても猿払川の源流は、地図で見るとせいぜい500メートルの山なので、大したことはない
・・・と思われるかも知れませんが、私はこれ以上過酷な条件で釣りをしたことはありません。
まず第一に川に近づけません。川がどこにあるのかさえわかりません。地図では川のすぐ横を道が通っているのですが、鬱蒼とした
密林に完全に隠されています。所々にかかる小さな橋のたもとから何とか川に近づきます。
川の近くはすべて真っ黒な粘土質です。一歩一歩ズブズブと沈みます。そして、日光を遮る密林と真っ黒な粘土質の土のおかげで
川は真っ黒に見えます。少し深いところでは川底はほとんど見えず、おまけに油断すると足が抜けなくなりそうです。流れは緩やかで
川のせせらぎなど全く聞こえません。川というよりも沼です。何かの雑誌に「原始の川」という紹介文が載っていましたが、
まさにその通りです。清流などとはほど遠い状態です。
これだけでも十分不気味でやっかいな川なのですが、猿払川攻略を最も困難にしているのはそんなものではありません。これは
時期にもよりますが、夏に行く場合の猿払川最大の敵、それは蚊とアブです。特に蚊の多さはたとえようもありません。
不用意に息を吸い込むと蚊が一緒に入ってくるほどです。(想像できますか?)
夏に行く場合は蚊対策を十分に検討して下さい。私の場合準備不足でしたからタオルを顔と首に巻いて対処しました。
まるでどこかの国のテロリストのような風貌で突撃しましたが、あえなく蚊のえじきになりました。
イトウの生態
イトウの生態は未だに謎に包まれていますが、およそ寿命は20年とされています。最大の物は2メートルにもなります。
そして生まれてから最初の産卵まで7〜8年かかります。流れの緩やかな川に棲息し、普段は川の中流から下流に。
そして産卵期(3〜4月)になると遡上をはじめ、上流の川底の砂利を掘って産卵します(産卵後も生きているという点を除けば
ほぼ鮭と同じです)。産卵期にはオスのイトウは真っ赤な婚姻色に染まります。産卵が終わるとまた下流(河口の汽水域でもイトウはいます)
に戻ってきて、体力を回復させるためにたくさん餌を食べます。
イトウの釣り方
・・・これは私が教えて欲しいです。しかし、最も良く釣れるのは当然産卵期の前だと思います。ですから2〜3月
(くらいだと思います)。その次はやはり産卵後の4〜5月かと思いますが、地元の釣り具やのおやじさん曰く「5月では
もう時期が遅い」そうです。「それならまだ11〜12月の方がいい」とのことでした。(ほんとかなぁ?)
ルアーはやや大きい物を使います。一番よく使われているのは6〜8センチ程度のミノーだそうです。しかしスプーン(12〜15g)
も悪くないようです。
しかし、「そんな時期に誰が北海道まで釣りに行く暇あるんや?!」というあなた、大丈夫です。8月でもイトウは釣れます。
私が釣ったのはお盆の頃です。それもすでに昼前でした。
「小さい型でも、とりあえずイトウを釣りたいねん!!」というのであれば上流へ行くことをお勧めします。
型はせいぜい30cmくらいだと思いますが、下流より可能性は高いと思います。その場合は短めのロッドに5g程度のスピナー。
猿払川は倒木が多く、川の中は障害物だらけです。狙いは障害物があってやや深くなっているところ。根掛かりを恐れてはいけません。
果敢にキャストしましょう。そして結局ウグイしか釣れなかったとしてもきっと満足できるはずです。
それから頭からかぶる「虫よけネット」をお忘れなく。もちろんウェーダーなしではお話になりません。
最後に、もしも釣れたら広〜い心でリリースしたいですね。私も泣く泣く逃がしてやりました。(でも生涯を通して1匹だけでいいから
釣って食べてやろうと思ってたりする)
イトウ追加情報
とある本で読みました。6月頃でもかなりの型のイトウが釣れます。そして驚いたことに水深1メートル未満、川幅
5メートル程度の場所で釣れるのです。最大の物は70cmオーバーで、一日に一人で3本あげていました。川の名前や詳しいポイントは
伏せてありましたのでここでも公表は避けます。でもこれで来年のゴールデンウイークの目的地は決定してしまいました。
イトウについては以上です。みなさんからのご意見、ご感想をお待ちしております。
nishio@lares.dti.ne.jp
イトウ 最新版
2002年夏のつりを終えて「イトウの釣り方 PART2」をお届けすることにしました。
まずイトウは釣ることがそんなに難しい魚ではなさそうです。スレていない大型のイワナという感じです。ただ、魚がいる場所が限られて
いるのでそういう意味ではなかなか出会えない魚です。
去年は3日間狙って、64cmを筆頭に9匹、今年は4日間(実質3日)で60cmを筆頭に7匹。だいたい毎年同じポイントで
同じくらいの型が上がることがわかってきました。今年は新しいポイントを2箇所開拓しましたが、どちらも釣れたので、最近は「結構
どこにでもいるのか!?」などと思っています。ではそろそろ釣り方紹介を・・・(そんなに大そうなものではないですが)
<タックル>
スピニング2000番、ライン12ポンド、ルアーはミノー10〜12cm(フローティングとサスペンド使用)色による差はあまり
感じられません。
<ポイント>
他より深くなっている場所で、日光が当たりにくければ大抵います。淵の最深部で腰以上あれば条件は十分満たしています。
真夏に上流部に大型がいるかどうかについてはわかりませんが、一応80cmクラスのイトウは何匹か確認しました。20cmくらいの
小魚を追って足元をすり抜けていったやつもいました。
<季節>
上に書いてある時期は少々違うということがわかってきました。いろいろな本で調べてみたところ、ベストシーズンは6月と10月
です。2〜3月なんて多分釣りは不可能です。5月も上旬は雪解け水で釣りになりません(川によると思いますが)。
<テクニック>
今までの経験では、ほとんどのイトウは2投目までに釣れています。このことから、少々ポイントをはずしてもイトウはルアーにアタック
してくるのではないかと思われます(ただしサイズは60cmまでですが)。それと、途中まで追ってきたイトウは次のキャストでも
ほぼ必ず追ってきます。しかし1投目に反転した同じ場所で反転することがほとんど。つまり何か反転する原因があるということです
(例えば立ち位置が悪く、魚が警戒するとか、ルアーを引く距離が短すぎるとか)。そんなときはあわててキャストせずに、もう一度
ポイントを眺めてじっくり作戦を練り直すのがよいでしょう。ちなみに3回目はもう追ってきません。
カラフトマス
夏になるとオホーツク海沿岸には大量にカラフトマスが押し寄せます。産卵をひかえたカラフトマスが自分の生まれた川に帰って来る
のです。川を上る前の魚は真水に引き寄せられるらしく河口近くには驚くほどたくさん泳いでいます。ほんの数メートル先の波の中に
カラフトマスの群が見えるほどです。もちろん川にも数百匹単位で群れているのが見えますが、河口のラインを超えて海から川へ入った
魚は釣ってはいけません。
カラフトマスの釣り方
カラフトマスはごく僅かに許可された特別の川(確か忠類川の一区画)を除いて、基本的に海釣りです。河口近くの砂浜(又は砂利浜)
から海へ向かってルアーやフライを投げて釣ります。
ポイントには朝早くからたくさんの人が並んで竿を振っています。釣果は多い人で10〜15匹ですが、ボウズの人も少なくありません。
さて、この釣果の差はどこにあるのか大変興味深いところですが、私の判断するところではルアー7割、腕3割といったところです。
私たち3人のうち一人だけ釣り初心者だったのですが、二人をしり目に連続で3本釣ってしまったのです。さすがに3匹目を釣ったときに
彼と同じルアーに交換しました。ダイワのチヌーク(レッド、15g)です。もう一人も同じではありませんがそっくりのスプーンに交換
していました。
するとどうしたことか、今まであたりの気配すらなかった二人に突然ヒット。それからは3人でヒットの連続。まわりには50人以上
いましたが、私たちは一番よく釣れているグループでした。
地元の人達はカラフトマス用に、本州では見たことのない様なルアーを使います。確か「デビル」とかいうなまえのルアーです。
実は私たちが最初に使っていたルアーがその「デビル」で、前日釣具屋で「カラフトマス釣るなら絶対これ」と言われて購入してあった
のです。しかし私は「デビル」では1匹も釣れませんでした。他人と同じ物を引いてもダメだということがよくわかりました。
(ただ、地元の人でダントツにうまい人は「デビル」で私たちの倍ほど釣っていましたが)
カラフトマスを釣るにはルアーの色も大切な要素です。一年前の釣行のとき友人が数匹釣ったあとで「おれ、鮭(だと去年は思っていた)
は赤色に反応するんやと思うで」と言っていたのですが、地元の人に聞くとやはり赤いルアーがヒット率が高いそうです。そして赤の次に
金色または銀色のルアーがよいと思うのですが、これは私の僅かな経験からの勝手な判断です。
実は海には漁師さんが網を張るためにほとんどのカラフトマスが河口にたどり着く前に捕獲されてしまいます(まあ、それでもあきれる
ほどいるのですが)。ところがお盆の三日間だけ網をあげるらしいのです。この三日間は大漁のチャンスだと聞きましたので、参考にして
みて下さい。私たちが釣ったのは残念ながらその2日後でした。
え?釣った場所ですか?・・・・紋別です。来年も行くぞぉ。盆過ぎに砂浜でテント張っている奴らがいればそれは多分私たちです。
カラフトマスについては以上です。次回更新時には「爆釣オショロコマ」をお届けします。
爆釣!オショロコマ
皆さんは今までに「爆釣」という経験をどのくらいしたことがありますか。私の場合今までに数えるほどしかありません。最近では
奈良の川でのヘラブナ釣りがそれでした。未明から釣り始めて日が昇る頃にはすでにビクが満タンになるほどでした。型は20〜30cm
と大したことはないのですが、時間をはかると30分間で60枚あがりました。(なんと30秒ごとに釣れる。)
そして今回はオショロコマで爆釣体験をしました。といっても上記のヘラブナのような釣れかたをしたのではありません。渓流魚に
しては驚くほど釣れたということです。
場所は知床半島先端の、道が無くなってからさらに数キロ先。真夏だというのにさびしい景色、黒い海と日本海の冬を思わせるような波。
まあ、ここまで来て釣れなかったらもうどうしようもないだろうというほど人里離れたところでした。
さて、川は当然小さく、えさ釣りにちょうどいい感じでしたが、えさの用意をしていなかったので無理やりルアー釣り。流れは強くなく
弱くなく、落ち込みやトロ場、淵などが連続し、小さいながらも抜群の渓相。スピナーを投げると毎回5〜6匹の小魚がついてきます。
最初はなかなかヒットしなかったのですが、スピナーを小さいものに換えると、とたんにヒット。一体何の魚かと思って釣り上げると、
オショロコマでした。小魚に見えていたのですが、釣り上げてみるとすべて15〜20cm。北海道の大物に目が慣れていたため小魚に
見えたようです。そして同じ淵で何匹でも釣れるのです。それもキャストの度に。しまいに「君ら岩魚の親戚やろ? もう少し警戒心
ってもんがないんか?」といいたくなるほどでした。北海道の人が「オショロコマなんかどこでも誰でも釣れる」と言っていた意味が
初めてわかりました。釣堀でもあんなに魚影は濃くないでしょう。さすが、ボウズ覚悟で行く本州の渓流釣りとは気前のよさが違います。
でも恐らく北海道でもオショロコマは確実に釣れにくくなっています。現にオショロコマが釣れたのはそこだけでした。
5匹持って帰って塩焼きにして食べました。もちろんおいしかったです。