藤原梟介の
独断偏見造船業界大展望



世界最大非最強の日本興行第一勧業富士銀行が発足することになり、
相も変わらず日本経済界は揺れ続ける今日この頃。
皆様は如何お過ごしでしょうや。
時には経済の話を、というわけでもなくただ何となく、
日本造船界を独断と偏見に基づいて大いに(<嘘)展望してみることにした。
<註:>
本文章は藤原の独断と偏見に基づくものなので、
あまり真面目に受け取ったり怒りを覚えたりしないように。
「…お約束、だよ。」

1.業界俯瞰

・三菱重工業
通称:ミツビシ、みつじゅー、M社、ぢゅーみつ。
売上高:24791億円、うち船舶関連3086億円(H10年度)
日本最大最強の重工会社。
客船・LNGタンカー・ミサイル護衛艦など、船と名の付くもの全てを建造可能な技術力で、
日々世界を相手に闘っている。
船以外にもビーバーエアコンから原発まで、重工業のあらゆる分野を網羅する。
東京大三菱銀行・大三菱商事と共に大三菱財閥の中核企業であるが、
今後の業界再編の流れに大三菱の看板をどう生かすかがポイント。

・石川島播磨重工業
通称:IHI、いしはり、イヒ。
連結売上高:10053億円、うち船舶関連1218億円(H10年度)
造船各社で一番技術力を売りにしている。
ばぶりーな頃の、「その頃、IHIでは。」のCMを記憶の方があるかどうか。
日本で初めてジェットエンジンを造った会社であり、
航空宇宙の話があると必ず一枚噛んでいる。
出来れば就職でお世話になりたいのでこの位にしておこう。

・川崎重工業
通称:カワサキ、かわじゅー。
売上高:10069億円、うち船舶関連1249億円(H10年度)
戦前、三菱と並んで日本の造船会社の代表格であった。
現在でも日本で潜水艦を建造できる造船会社は三菱と川重しかない。
バイクでおなじみなんであるが、
藤原に言わせればバイクなぞ、造船で培った技術力を応用した航空技術が、
戦後に余っちゃったのでやってるモンなんである。

・住友重機械工業
通称:スミトモ、すみじゅー。
連結売上高:5549億円、うち船舶関連1323億円(H10年度)
浚渫船などの特殊船や陸上用のクレーン車に強かったりするあたり、いかにも重機械である。
日本丸・海王丸姉妹を造った会社で、帆船にも強いらしい。

・日本鋼管
売上高:10136億円、うち船舶関連595億円(H10年度)
通称:NKK、こーかん。
自前で鉄を作ってその鉄で船を造っている会社。
砕氷船で培った氷雪技術で、「ザウス」を作ったりもしている。
ちなみに日本で一番台風に弱い造船会社のようだ。

・三井造船
売上高:3409億円、うち船舶関連1219億円(H10年度)
通称:ミツイ、みつぞー。
三井物産の船舶部門が独立して出来た会社。
日本の多くの産業部門で大三井と大三菱は張り合っているのだが、
重工業界にあっては三菱が強すぎるようである。

・日立造船
売上高:5978億円(H8年度)、うち船舶関連880億円(H10年度)
通称:ヒタチ、ひたぞー。
実は日立製作所とは関係なかったりする。
何故かバイオ・食品部門を持っていて、日本で始めて杜仲茶を商品化したのはこの会社だったりもする。

・中堅各社
今治造船、大島造船、尾道造船、カナサシ、幸陽船渠、佐世保重工、サノヤス、新来島どっく、
常石造船、名村造船、函館どっく、などがある。
中堅とか言ってる割には売り上げが1000億円を超えていて、
下手な「大手」よりも造船部門の売り上げは多かったりして、実は全然侮れない。

2.業界展望

ここ数年、昔まとめて造ったタンカーが古くなってきたので造り替えなくてはならず、
各社とも結構受注を貰って仕事がそこそこある状態であった。
でも数年を待たずしてその代替需要も底をつき、世界的に見ると船は余っているので、
仕事がなくなってキケンな状態になりそうだ。
しかも韓国人の技術力が上がってきていて競争が苦しくなってるし、
その上中国人が本格的に造船業に参入してくる気配もぷんぷんする。
要するに、日本造船界はかなりヤバイ状態かもしれないというわけだ。

かくして、造船業界では「業界再編」がキーワードになっている。
各社とも調達・受注・設計などの分野で提携を進めつつあるが、
何と言っても運輸省の「造船大手7社を再編して3〜4社に再編しようよ」
という提言が出されてしまった。
テキ筆頭の大宇、現代、三星あたりが3000億円級の船舶関連売り上げを持つ以上、
これと競争して勝ち続けるためには、こちらも同等の規模を持つ必要があるというわけだ。
ではどういう組み合わせの統合で再編が進みそうか、を軸に考えてみよう。

IHI×住友
両者共同で防衛庁から艦艇を受注・設計する会社「マリンユナイテッド」を作っているのが材料。
折りしもIHIは豊洲の工場前に橋が架かって逃げなくてはならず、社内を再編中。
東京湾内にIHIの豊洲、横浜、住友の浦賀、追浜があり、地理的にもくっ付くと便利か。
あと、工場実習に行った際、***の**さんが、「**は**で***やる。」(ヤバイので伏せ字)
と言っていたのも藤原的推進材料。

川重×NKK
日本興行第一勧業富士銀行の誕生により、メーンバンクが一緒になるため、
銀行側からの再編圧力がかかりそう。
ここ数年、「みののは造船業界から撤退するのか?」という話があったりなかったりで、
相対的に小さな造船部門を川崎に譲る可能性があるのかないのか。

三井×日立
艦艇の設計で協力関係にあるのがポイント。
三井はバルクキャリア・大型LNGタンカー・その他特殊船種に強く、
日立は大型タンカーで強いため、統合されると補完関係になる。
日立は主力の有明工場(九州ね)を分社化して、統合への準備が進みつつあるとの話も。

川崎×三井
つい先頃、商船部門での提携を発表した。
資材調達面で協力して、スケールメリットを出したい意向らしい。
川崎の神戸、坂出、三井の玉野の各工場が地理的に近いので、何かと便利かも。

ちうことは何や・・・。
川崎×NKK×三井×日立
まさかないよな…。藤原の「こうなったらいいな」的妄想。
実現すると船舶売り上げ4000億円となって、世界を牛耳れるのは間違いないんだけどね。

三菱、は単独の公算
大三菱は、単独でも世界と十分に闘える規模と技術力があるので、
スリーダイヤの看板にかけて単独で行くらしい。
ちうか、他のどの会社もミツビシ相手だと吸収合併になって嫌そう。

今治、が何か画策しているぞ
中堅筆頭の今治造船は何やら工場を拡張しているらしい。
時流をつかんで名実共に大手になるのか?

その他
「某社は造船から撤退するらしい?」
「某々社は韓国と提携するらしい?」
「某社は潰れるらしい?」
など。何のことでしょう。


3.で、

果たして造船業界の今後はどうなるのかっ?
藤原の就職先は残っているのかっ?
統合で会社の数が減ると求人まで減りはしないかっ?
取りあえず、潰れそうなところと一族会社は嫌だっ!
北朝鮮よりはましだかぁっ!?
結局よく分からないが以上っ!


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