
やれやれ、やっと本題ですね。

「日本海軍全艦艇史 資料篇」によれば、
重雷装艦に改装後の「北上」の排水量は7041トン、
メートルトン表記ですから W=7041(t)です。
発射すべき93式1型改2魚雷は、「軍艦メカ図鑑 日本の駆逐艦」より
93式1型の値をもらって来て1発2700キロ、
20発で54000キロ、つまり w=54(t)です。

船体中心線から移動重量までの距離 sは、
「軍艦メカ図鑑 日本の巡洋艦」の重雷装改装後の「北上」の絵より
中心線から発射管旋回軸までの長さを無理矢理読み取って s=5.0(m)と
いうことにします。
とても工学部のすることとは思えません。

メタセンタ高さ GMについてですが、「重雷装艦に改装後の「北上」の復元性能」
などという代物を記述した資料が手元にある筈もありません。
「軍艦基本計画資料」より「球磨」の新造完成公試状態のGMが0.904(m)...とか、
「艦艇復元性能摘要表」から公試排水量6000(t)の巡洋艦のGMが0.85(m)...といった
情報を基に、GM=0.9(m)と
凄ぇ適当に置くことにします。
本駄文を書いてる奴は、
本当に工学部を出てるんでしょうか。

非常に無理矢理な気がして仕方ありませんが、
数字も揃ったところで計算をしてみます。

W=7041(t)、w=54(t)、s=5.0(m)、GM=0.9(m)を
先ほどの式に代入して、


tanθ = w・s/W・GM = 54・5.0/7041・0.9 = 0.0426...
タンジェントで0.0426を与えるθは2.4(度)くらいですので、
取りあえず
θ=2.4(度)
という解を出しておくことにします。
途中でいいかげんに置いた値が倍や半分違っても、
θはだいたい倍や半分の範囲で収まります。
桁(オーダー)まで違うということは
なかなかないんではないかと思います。

と、計算は以上で終了です。

思ったほど凄まじい傾斜は起こらなそうですね。

ま、2.4(度)の傾斜は百分率で言うと4.3(%)ですので、
それはそれで大した傾斜とも言えます。
この数字をどう取るかは本駄文をお読み頂いた方にお任せすることにして、
この辺で終わることにします。

あ、そうそう。まさか20発も一斉発射するとは思っていませんので、
ご安心下さい。

でも1発ずつ撃っている間に38口径127ミリ砲弾か何かを食らって、
魚雷に火が付かないうちに全弾一斉に放り出す羽目になるような気が(笑)