ゾンビ屋れい子 |
作者:三家本礼/ぶんか社:BunkashaComics |
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ストーリー |
"ゾンビ屋とは、死人の目を開け真実を語らせ、報酬を得る"(背表紙より)。
そのゾンビ屋である主人公・姫園れい子(セーラー服の女子高生)がcoolに、cynicalに、そして淡々と事件に関わり
ゾンビを使って解決していく。 |
感想 |
一言で言えば"バカマンガ"(笑)。設定はともかくその展開がぶっとんでます。
人の命なんて紙より軽いです。登場人物みんな狂ってます。でも、今のご時世、これくらいがリアリティあるんじゃないでしょうか。
そういう意味ではくだらないごたくを並べるエセ文化人どもに対するアンチテーゼとしてもとっても痛快です。
とにかくセオリーとか予定調和がないっぽいのがいい。死ぬ奴は死ぬんです。「え?このキャラ死んじゃうの?」って展開は当たり前。
子供だろうが、親友だろうが、いい奴だろうが、かっこいい奴だろうが安心してはいけません。
すべてのキャラは、この作者が"いかに殺すか"というアイディアが浮かぶまでの命なのです。
なにせ○○○まで死んでしまうんですから...。でも終わらないでちゃんと続く。
そのつなぎ方がまた笑え...いやよく考えてある...かもしれない...う〜んどうだろう...よくわかんないや(笑)。
途中からシャー○ンキングのような持ち霊っぽいものを使い始めるんですが、その持ち霊がまた...
「そうくるかぁ!?」って感じでしびれます。
描いてる本人は、荒木飛呂彦等と違ってイっちゃってるような人じゃないんだろうなという気はしますが
こういうマンガは描いてて楽しいんじゃないかなとは思えます。
絵の方は最初はかなりひどかったのに、上手くなってきています。
良い子には決して薦めませんが、2000年度のBEST3に入る作品でした。
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続き |
第5巻
いやぁ、相変わらずぶっとんでます。つーか、ますます快調絶好調って感じ。
百合川の妹の話の結末なんてそこらのマンガじゃありえねー展開で見事に狂ってます。
そして本筋ではれい子のお姉様が生きていたわけですが、今度は変な銃を作って部下を増やしてます。
さらにはれい子とリルカがゾンビ召還能力を奪われるという展開になるのですが...
この巻の見所はラストでしょう。またまた予期せぬ展開で楽しませてくれます。
てか、ここで続くになってしまっているのですんげえストレスです(笑)。早く続きが読みたい。でもこれ出るのが遅いんだよなぁ。
04/28/2001
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健全恋愛ライフ & ジンクホワイト |
作者:小泉真理/ぶんか社:BunkshaComics/少年画報社:YOUNG KING COMICS |
ストーリー |
アニマルで過激な性教育(?)マンガを連載していたこいずみまりさんの別の一面を見ることができるマンガ。
本人もアニマルとの違いを意識するためにペンネームも平仮名から漢字に。
健全恋愛ライフは大学時代の女性の先輩のマキ(社会人)のところへ、火事でアパートを失った和田君(まだ大学生)が
転がり込みそのまま同棲生活になだれ込むという設定。実は2人は学生時代もほとんど話したことがなかったという...
ジンクホワイトは場所設定を変え、2人が高校生でマキが和田のいる高校へ転校してきたところから始まる。
新しい高校は美術クラスには入れない、中途での転校ということではきだめのようなクラスに入れられる、
美術部はレベルが低い上に転校生のマキに排他的な態度。美大受験を控えて真っ暗な高校生活の中に現れたのが和田君。
どさくさに紛れて和田君にファーストキスを奪われたマキのこれからは...
両方とも4コママンガの形式を取ってはいるが、一連のストーリーを作っている。
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感想 |
アニマルのこいずみ学習ブック以来、その体当たり的ぶっとび具合が好きで注目していた人ではありますが
健全恋愛ライフはまったく違った面でこの人の魅力に引き込まれました。
4コマという形式の中でも際立つキャラ。特にマキの無気力・無関心さは絵も合わせていい味を出しています。
正確には無気力というより過去の清算ができずに精神的に停滞しているような状態ですが。仕事はちゃんとこなしますし。
そのキャラと合わせてだんだんとあかされていくマキの過去。そこに和田君との現在の生活がからみ
先が気になりどんどん引き込まれていきます。和田君のキャラとの対比がいいのもあるのでしょう。
能天気だけど抜群に仕事(バイト。そのままそこに就職。のちライバル会社に転職。転職先がマキの会社)ができる大学生。
もてるし。そして何気に図々しいというか押しが強いところがポイント。そこが嫌味にならない描き方は作られたものか、
作者の人柄を反映したものものかはわかりませんが。
最初は子猫を拾ってしまったような雰囲気だったマキが和田君のペースに引き込まれとまどう姿が面白い。
最後の方で急激にストーリーが進展していきますが、マキがストレートに和田君へ気持ちをぶつけるあたりは秀逸です。
4コマでここまで引き込まれるのも珍しい。上手いです
残念ながら2巻をもって終わっていますが、ジンクホワイトが始まりこれがまた面白いので好!!
高校生活と美術受験を舞台に設定を変えた2人のこれからの展開が楽しみです。
こいずみさんは他にもいくつか連載をしていたり単行本を出したりしていますが、やはりこの2冊がお薦めです。
というか、他の作品のようなギャグに徹した4コマはいまいちです。いや、嫌いじゃないんですけど。
要するに、本来は4コマではないストーリーものを描く能力も十二分にあり、
その感性が私の好みにもあっているということなのでしょう。
あ、こいずみ学習ブックはまた別の意味でお薦めです。ついでにこいずみ学習ブックも紹介しておきますと、
いろいろな性関連ネタを作者とアシスタントの女の子がギャグっぽく解説(?)していくような内容です。
過激な体当たりマンガというのは酒とたたみいわしの日々というマンガ等でもかなり笑えましたが、学習ブックは絵もかなりキてます。
嘘か誠かはわかりませんが、アニマル発禁の危機を招いたとか招かなかったとか(笑)
小泉真理さんのWebPageはこちらです→

04/06/2001
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