柴田愛子 ill Takasima.N   

 7回目に「昔は昔 今は今」というのを書きました。あれから、今の生活を点検してみました。
 そしたらね、びっくりしちゃったの。

 台所では、マッチを使わなくても、火をつけてお湯が湧かせるでしょう。
 電子レンジはチン! と温めてくれるし、冷凍ものを用意しておけば、すぐ食べられるでしょう。
 炊飯器には無洗米と水を入れて、スイッチを押すだけ。パンや魚はオーブントースターで焼ける。
 お風呂場は、温度を指定すれば、お湯が適量はれる。
 洗濯機は全自動、乾燥機もついていたりする。たたんでタンスに入れるのはやりますけどね。
 掃除は掃除機。スイッチを押せば、ゴミをぐんぐん吸い取ってくれる。

 こうやって考えるとね「6歳くらいになれば、生活ができる」ってことに気がついたんです。
 言い換えると、6歳になれば、一人暮らしできるんですよ!
 (ちなみに私の家は電子レンジはありませんし、昔の木のお風呂でガスで湧かしています。洗濯機は二槽式、無洗米ではありません。ちょっと遅れ気味)

 数年前から、日本の保育園や幼稚園の子どものままごとあそびから「お母さん役が姿を消しつつある」と言われています。
 お母さんになりたがるのは3歳児まで。4、5歳児に圧倒的に人気があるのはペットです。イヌやネコね。
 子どもたちに聞くと「ペットは、なにもしないで、かわいがられる」と言います。
 子どもは条件付きの愛情が多いそうで「○○してね」といわれてすると「いい子ね」とほめてもらえるというんです。
 子どもは無償の愛をほしがっている? と、思ったりしていました。けれど、この頃、そうも言えるかもしれないけれど、もしかしたら、お母さんの家の中での役割がわからないのではないだろうか、と感じ始めています。
 お母さんのやっている仕事は、特別お母さんでなければできないというほどのものではなく、したがって、あまり魅力的ではない?
 昔のようにマッチをする、薪に火をつけお風呂を沸かす、たらいで洗濯、お米をとぐ、ご飯の水加減に火加減・・どれも子どもが頑張っても手が届かない技なんですね。だから、あこがれるし、ごっこでなりきってまねごとをする。

 子どもにお母さんがいらなくなった、というわけではないのですよ。お母さんは大好きですし、神様のように絶対だと・・少なくとも乳幼児は・・思っています。存在自体が大事なんです。
 でも、実際の生活では、偉大さはあまり感じていないということではないでしょうか? いいも悪いも、そんな状況かなと思ったりします。
 
 6歳でも一人暮らしが可能な生活、どう思いますか?
 憧れて、ごっこで真似をしたいおとなの技って、なにかあるでしょうか? 考えちゃいません? 



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