タイトル

 先週、27、28日は、5歳児と山梨県清里にあるキープ自然学校に、雪遊びに行ってきました。

 雪の量は多くはありませんでしたが、子どもたちは大喜び。(この日の様子はこちらにあります
 まずは建物前でソリに興じます。
 スピードも方向もコントロールする技がなく、ビュンビュン、キャーキャー滑っていく子。無謀な暴走族同士がぶつかります。

 けれど、転がりはしても、怪我はしません。

 それどころか、キャハハと笑っているのですから、たいしたものです。

 おとなだったら怪我ですよね。
 そんな子どもたちの傍らで、静かに見ている子もいます。あっけにとられている表情は、まだ、やりたいという気持ちは、芽生えていないようです。
 つくられていた〈かまくら〉の中に入ってみたりしながら、雪で何かをつくることにはまる子もいます。いつもよりしめった雪のおかげで、雪だるまもつくりやすいです。
 林の中には鹿の糞がまとまって落ちていました。樹木の皮がむけて鹿が食べた跡を見つけて歩く子も。
 傍らでソリを見ていた子どもの目の色が、ちょっと変わってきています。

 やってみたくなってきたのです。

 でも、でも・・・躊躇している子どもを誘いました。

 小さなソリの前には子どもが座り、後ろに私。ちょっとスピードを落としながら滑ります。一度の体験に自分のやりたいが目覚め、次からは一人で挑戦します。そんな子は何人かいたでしょう。
 時間と共に、子どもは手でソリの方向を変えられることに気づいて、上手に長い距離を滑れるようになっていきます。


 みんなで、急斜面のある場所に移動することになりました。
 すごい、すごい! 落ちるように滑ってきます。
 ふと見上げると、まだソリをやっていなかったことちゃんが立っています。いつのまに登ってしまったのでしょう。うろうろ、左に右に移動しています。ぎゃあぎゃあと滑り降りてくる子どもに誘われることなく、上にいます。
 声をかけて、一緒に滑り降りてみる方がいいのか迷います。だって、もう、長時間迷っているのですから。

 でも、ことちゃんは芯が強い子です。声をかけたら、やらなくなりそうでもあります。
 しばらくすると、彼女はみんなの滑り降りる斜面ではない方向で、ソリを使わず、お尻で滑っていました。

 そうです。こういうやり方がありました。

 しばらくすると、友だちと手を繋いで降りていました。
 そして、翌日、私が彼女を見たときには、とうとうソリを使って滑っていました!
 ほんとに、すべてに一人ひとりのやり方があるものだと思いました。いきなり大胆に挑戦し、身につけていく子がいる一方、自分に向き合い、自分の一歩を納得しながら進めていく子もいる。

 ひとり一人が自分らしいやり方で進めるには、自由な時間がたっぷりいります。

 今の、一斉指導の下にみんなが同じようにさっさとできるようにするやりかたは、自分らしさを見つけにくくしているかもしれません。(1月26日 記)

 

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